2015 Fiscal Year Annual Research Report
吸収性ナノファイバーを応用した自家移植モデルにおける耳介形状軟骨の再生誘導
Project/Area Number |
25462806
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
磯貝 典孝 近畿大学, 医学部, 教授 (90203067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠原 廣久 近畿大学, 医学部, 講師 (50388550)
諸冨 公昭 近畿大学, 医学部, 講師 (10388580)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 軟骨再生 / オ-トグラフ / 力学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複合型スカフォールドを大動物(イヌ)自家移植モデルに導入して臨床試用が可能な大きさと3次元形状を有する耳介形状軟骨の再生誘導を試み、in vivoにおいて細径PGA不織布が軟骨再生能および長期形状維持に及ぼす影響について検討してきた。本年度は、特に再生軟骨の特徴である弾力性を客観評価するため、平坦型スカフォールドを用いて再生軟骨の力学的検討(曲げ強度を測定)を行った。 (方法)Royらの方法に従い、オートグラフ(AG-IS、島津製作所、京都)のグリップ距離を1cmに調整した。その後、標本(20mm x 5mm)を台座に固定し、垂直板を0.02mm/secの速度で下降させて最大試験力を計測した。あらかじめ計測した標本の厚さから、曲げ強度を算出した(曲げ強度=最大試験力/標本の厚さ)。 標本の取り付けから試験が終了するまでの期間は、標本に生理食塩水を噴霧し、乾燥を防止した。統計処理では、再生軟骨の曲げ強度を測り、その平均±標準誤差を求めた。計測したデータは、One-factor ANOVAを行った後、多重比較検定を行い、統計学的有意差を検討した。 (結果)移植後5週目に摘出した再生軟骨の標本では、0.8µm群の曲げ強度は高値を示し、一方、0.5µm群では著しい低値を示した。さらに移植後20週目に摘出した再生軟骨の標本では、0.8µm群および3µm群の曲げ強度は8N以上の高値を示し、他の細径および従来径PGA不織布と比較して有意に高い力学的特性が認められた。 (本年度のまとめ)これらの結果から、平坦型スカフォールドにおいて良好な力学特性を有する軟骨を再生誘導するための至適なPGA不織布の平均繊維径は、0.8~3µmであることが示唆された。また、0.8µm群が最も高い力学強度を示し、組織学的評価の結果と一致した。
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