2014 Fiscal Year Research-status Report
炎症性メディエーターが引き起こす細胞死を不飽和脂肪酸が抑制する機構を解明する
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25462815
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
張 京浩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50302708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 芳嗣 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (30166748)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 不飽和脂肪酸 / 細胞保護作用 / 炎症性サイトカイン / アポトーシス / アラキドン酸カスケード / アスピリン |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ヒト肺胞上皮由来A549細胞を用いて、炎症性サイトカインによる細胞障害がどのような長鎖不飽和脂肪酸で抑制されるかを検討した。 2.オメガ3系、オメガ6系にかかわらず、不飽和脂肪酸であることが脂肪酸の細胞保護作用に関連していた。 3.細胞保護作用が強いとされるオメガ3系のDHA、EPAはたしかに細胞保護用を示したが、30microMを超える濃度ではむしろ細胞障害作用を示し、安全域は狭いことが判明した 4.不飽和脂肪酸の細胞保護作用は、ラット近位尿細管細胞(IRPTC)やラット心筋筋芽細胞では認められず、細胞特異性があることが判明した 5.アスピリンはアラキドン酸カスケードの抑制以外の機構で細胞保護作用を呈する可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
不飽和脂肪酸の細胞保護作用に細胞特異性があることが判明したが、それが細胞のどのような特性によるのかが判明しておらず、そのためin vivoの実験系に進めていない。
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Strategy for Future Research Activity |
A549細胞以外に、どのような細胞で不飽和脂肪酸が保護作用を呈するかをまず検討する。その知見を得て、in vivoの系で不飽和脂肪酸がどのような臓器系に対して保護作用があるかを検討する。 一方、A549での知見はそれを平行して検討して (1)炎症性サイトカイン以外にどのような細胞障害性刺激に対して、不飽和脂肪酸が細胞保護作用を呈するかを検討する (2)アスピリンの細胞保護作用の機構を、アラキドン酸カスケードの抑制以外の観点から検討し、新たな薬効の可能性を探る。
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Causes of Carryover |
年度末に研究会への参加が予定されていたこと、また年度末間際の急な実験用消耗品の購入のために少額の予算をあらかじめ残してあったために生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額は42637円であり、次年度の研究開始に伴い、実験用物品の購入により速やかに使用する予定である。
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