2013 Fiscal Year Research-status Report
低酸素再酸素化ストレスが血管内皮細胞機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
25462819
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
小幡 由佳子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (90432210)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虚血再灌流 / 低酸素 / 血管内皮 |
Research Abstract |
血管内皮は炎症や虚血再灌流障害の際に臓器と同様に重要な役割を果たし、様々なシグナル伝達を介してメディエータとして働いていることがわかっている。生体内では血管内に血液が流れることによってシェアーストレスがかかり血管内皮が様々な反応を起こしている。このため灌流を行った状態での各種の反応を捉えることを最終的な目標としているが、実験設備を整えることに費用がかかり困難である。当初の計画では血管内皮を低酸素、灌流状態に置いた後で再灌流し、その際の血管内皮の細胞機能や活性酸素種の定量、細胞内シグナルの変化を測定する予定であった。しかし我々の施設に現在ある装置では完全な低酸素を実現するのが困難であり、現在模擬的(化学的)虚血状態を作り、静止モデルで細胞機能を測定している。現在までに、化学的な虚血再灌流後のブラジキニンによる細胞刺激で細胞内カルシウム濃度の変化を測定しているが、この点については機能が完全に失われるわけではないことがわかった。虚血再灌流障害の際にカルシウムが重要な役割を果たすことが予想されるが、詳細は不明である。またその他の細胞からの産生物質(Nitric Oxide、PGI2)については現在測定開始したところであり、こちらについてはまだ結果を報告するに至らない。来年度は引き続きこれらを測定しまだ開始していない活性酸素の定量、更に当初の予定にあるミトコンドリア機能についても評価する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低酸素を成功させるためにさまざまな方法を試みてみたが、不十分であり、まず模擬的な虚血状態(化学的虚血状態)を作りあげることで、細胞機能などを測定することとなった。低酸素の実現のために時間を要したため、本実験開始までがやや遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は実際の低酸素、灌流状態を実現するのが困難である。このため模擬的(化学的)虚血での静止モデルでの研究となっている。今後可能であれば当初の目標の実際の低酸素、灌流モデルとしたいが、費用、時間的には困難が予想される。そのため、現在の静止モデルでの細胞機能変化をまず解明していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた実験系の確立がまだ終了していないため、未だ購入に至っていない実験器具、薬品等が多数あることによる。 安定した実験系の確立のための実験器具(顕微鏡ステージ用温度調節器、ローラーポンプ、加温器等)と試薬、ガス、ピペットその他の消耗品などに使用する予定である。
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