2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462822
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永田 高志 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90501809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
剣持 一 九州大学, 先端医療イノベーションセンター, 研究員 (60215134)
橋爪 誠 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90198664)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害 / クラウド / 電子カルテ / 医療情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成23年3月11日に発生した東日本大震災に対して日本医師会は災害医療チームJMATを被災3県に派遣した。福岡県医師会は津波と原子力災害に被災し、外部から十分な医療支援が行われなかった。4月15日から5月31日までの活動期間中、福岡県広川町にある発心会姫野病院が開発したクラウド型電子カルテOpenNetKarteをもとにしたクラウド型災害医療情報システムを用いて避難所の巡回診療を円滑に行うことが出来た。 このクラウド型災害医療情報システムを来たるべき首都直下型地震や南海トラフ地震に対して運用できるようにするため、科研費を通じて研究を行った。平成24-28年度の4回において国の災害指定公共団体に指定された日本医師会における防災訓練において、日本医師会と47都道府県医師会における情報共有のツールとしてクラウド型災害医療情報システムを用いた。また訓練の際には宇宙航空研究開発機構JAXAの衛星通信と連結して実証実験を行った。 4回の災害訓練においていずれもクラウド型災害医療情報システムは問題なく運用することが出来た。加えて、訓練実施後の各都道府県医師会にて行われたアンケート調査をもとにシステムの改善を行った。クロノロジーや各種情報を共有するためのポータルサイトの開発が行われた。情報保全に関する問題も発生することはなかった。 またクラウド型災害医療情報システムの研究開発において、ハーバード大学医学部ジョン・ハラムカ先生からの指導助言を定期的に頂き、災害のみならず平時の診療におけるクラウドの運用の推進、米国における医療情報のクラウド化の現状、そして次世代の医療情報の在り方と個人情報保護に関するあり方について意見交換を行い、その知見はクラウド型災害医療情報システムの開発に反映された。 これらの研究成果は医学雑誌にて発表するとともに、学会で発表された。
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