2015 Fiscal Year Annual Research Report
自己細胞由来人工皮膚グラフトを用いた重症熱傷治療法の開発
Project/Area Number |
25462823
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
小網 博之 佐賀大学, 医学部, 助教 (10465354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪本 雄一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (20366678)
野口 亮 佐賀大学, 医学部, 助教 (70530187)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 3次元皮膚培養 / スフェロイド / 線維芽細胞 / ケラチノサイト / 血管内皮細胞 / 熱傷モデル / ラット / 脂肪由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、重症熱傷における移植皮膚不足や生着率の低下に伴う治療期間の長期化を鑑み、生着率の高い3次元自己培養皮膚を作成することである。 初年度(H25年度)は、線維芽細胞やケラチノサイトをそれぞれ培養・継代を繰り返しながら、それぞれの皮膚パッチを作成した。線維芽細胞のみの皮膚パッチは、強度が保たれていたが、ケラチノサイトのみのパッチは強度が弱く、血管内皮細胞は培養そのものに難渋し、パッチは作成できなかった。こうした基礎データから、強度の強い細胞パッチを複数培養を混合することで作成することを目標と定めた。 H26年度は、線維芽細胞、ケラチノサイト、血管内皮細胞の培養を継続し、それぞれ単細胞パッチを作成できた。線維芽細胞は強度に加えて形態も維持できる一方で、ケラチノサイトは、強度がなく、血管内皮細胞は脆弱で菲薄化した膜状パッチとなった。次に、線維芽細胞とケラチノサイトの混合パッチを作成した。しかし、形態保持が困難で、数日で崩壊した。次に、線維芽細胞と血管内皮細胞の合成パッチを作成したところ、線維芽細胞優位のパッチの形態は維持されることが分かった。すなわち、作成するパッチとして、線維芽細胞を中心とした細胞で構成される必要があると判断した。 H27年度は、由来の違うケラチノサイトと線維芽細胞などの細胞を橋渡しするために、脂肪由来間葉系幹細胞に注目した。スフェロイドを作成し単細胞パッチを作成してみると、細胞数に依存した皮膚パッチを作成できた。次に、ケラチノサイトとの混合パッチも作成したが、ケラチノサイトのみのパッチに比べて、強度ならびに形態も維持できることが分かった。今後は、線維芽細胞や血管内皮細胞との混合パッチも作成することで、植皮に耐えられる皮膚パッチを作成していきたい。
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Research Products
(2 results)