2013 Fiscal Year Research-status Report
ATP/adenosine balance からみたSIRS病態の解明
Project/Area Number |
25462830
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
角 由佳 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40403084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 明久 日本医科大学, 医学部, 助教 (00366741)
井上 貴昭 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60379196)
田中 裕 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90252676)
末吉 孝一郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (90648297)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ATP / adenosine / SIRS / 炎症 / ミトコンドリア機能不全 |
Research Abstract |
救命救急センターに入院する患者のうち,SIRS患者の血漿中ATP/adenosine 濃度の測定した。様々なSIRS病態において、炎症作用のあるATPが高値、抗炎症作用をもつadenosine が低値を示すことが明らかとなった。ATP/adenosine バランスは、臨床症状が改善するとともに、健常者と同様になることがわかった。また、好中球機能の指標としてのCD11bの高値を認め、時間経過とともに改善することがわかった。このATP/adenosine バランスの崩れが、SIRS における炎症を惹起していることが考えられた。 一方、急性期に数日で死亡する重症患者では、血漿ATP値が低値を示すことも明らかとなり、本来炎症反応として、高値を示すはずの病態において、低値を示すのは、近年注目されている、重症SIRSおよび多臓器不全におけるミトコンドリア機能不全が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ATP/adensoine バランスのSIRS患者における評価は順調にすすんでいる。なぜ、ATPが高値にも関わらず、adenosine が低値を示すのかのメカニズムに解明には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ATP/adenosine バランスの崩れのメカニズム解明のために、患者血液にATPを付加し、その分解能を評価する。 また、予定手術患者の術前・術後のATP/adenosine バランスを評価し、臨床経過との関係を評価する。 好中球ATPを染色する色素を用いて、ATPの動態を観察できないか検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度は、ほかの助成金により人件費や謝金などに研究費を使う必要がなくなったため。 予定手術患者の術前・術後の検体の分析や、共同研修者であるボストンへの検体郵送などに使用する。
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