2013 Fiscal Year Research-status Report
マウス腎虚血再灌流障害モデルにおけるEgr-1の役割
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25462836
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
新井 正徳 日本医科大学, 医学部, 助教 (60267127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
塚本 剛志 日本医科大学, 医学部, 助教 (20626270)
横田 裕行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60182698)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虚血再還流障害 / 腎障害 / 腫瘍壊死因子 |
Research Abstract |
初年度である、平成25年度の研究内容は、マウス腎虚血再灌流よる腎障害モデルが、再現性が確保された正確なモデルであることを確認することを目的として開始した。 実験内容は、C57BL/6J 雄マウス(20-25g, 8-12週)を使用し、ペントバルビタール50mg/kgの腹腔内投与により麻酔した後、腹部正中切開をおき、まず右腎臓を摘出する。つぎに左腎茎部において、血管鉗子によって動静脈を遮断し、45分間の虚血を行い、これを解除し再灌流を行った。いったん閉腹したのち、虚血再灌流後24時間において、腹部大動脈より採血を行い、ただちに頸椎脱臼により、安楽死させた。 この採血によって得られたサンプルから、血清BUN、Cre値の測定をそれぞれウレアーゼ法、酵素法により測定した。これにより、Sham operationを施行したcotrol群と比較し、腎虚血再灌流群では、有意なBUNおよびCreの上昇を認め、再現性も確認された。 また、これらの実験結果のデータを保存、解析するために、PCおよび統計ソフトなどを購入した。 平成25年1月9日~13日まで、第43回SCCM(Sosiety of Critical Care Medicine) congressに当教室より発表された演題(ポスター)の共同演者として参加した。同学会は世界を代表する集中治療学会であり、本研究に関連するsessionもいくつか見られた。特に敗血症におけるmicroRNAを用いた炎症性反応の解析結果や新たな治療ターゲットとしての炎症性メディエーターなどの講演は今後の研究に役立つものと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定されていた予定では、腎虚血再還流におけるTNF測定およびEgr-1などの腎組織における発現について検討する予定であったが、現時点では、組織学的な分析はまだ行われていない。しかしながら、実験モデルの再現性が確認されたため、平成26年度はこれらについても実験を開始する予定である。しかしながら、国際学会参加により、本研究分野での新たな知見も得られたため、今後の研究に大いに活かしてゆく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、虚血再灌流障害による腎組織中のTNF-αの測定を行うとともに、免疫染色法による腎組織における単球、およびマクロファージのEgr-1発現の解析に取り組む予定である。 実験内容としては、以下に示す。 虚血再灌流後、1, 3, 6, 12, 24時間において左腎を摘出し、ただちに2% paraformaldehydeで固定する。パラフィン切片を作成し、一次抗体としてrabbit Egr-1 IgG antibody とインキュベーションした後、二次抗体にて処理し、腎組織における単球、およびマクロファージにおいて、腎虚血再灌流によってEgr-1の発現が上昇している否か、組織学的評価を行う。 研究を遂行する上で、腎組織中でのEgr-1の上昇はすでに多くの先行研究で示されているが、単球、マクロファージにおける発現上昇の確認は、先行研究が少ないため、これを再現性のある結果として確認することが重要であると考えられる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年1月に参加した国際学会(SCCM:サンフランシスコ)の旅費等の請求が、申請書類の関係で年度内にできなかったため、次年度使用額が生じてしまった。平成26年度の上半期中には申請可能なので、これにより、平成25年度分の次年度使用額がほぼ解消されると思われる。 平成26年1月に参加した国際学会(SCCM:サンフランシスコ)の旅費等に抄する予定である。
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Research Products
(6 results)