2014 Fiscal Year Research-status Report
急性腸間膜虚血の早期診断および救命率向上に向けた治療戦略の構築
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25462837
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金 史英 日本医科大学, 医学部, 助教 (90266859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
横田 裕行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60182698)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 腸管虚血 / 血中乳酸値 |
Outline of Annual Research Achievements |
腹部救急疾患で搬入される症例、または入室後に腹部救急疾患が疑われる症例を対象とし、血液ガス分析機を用いて血中乳酸値の測定を行った。血中乳酸値の測定は入室時、入室から1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、8時間後、12時間後に祖億停止、それ以降は6時間ごとの測定を行った。開腹症例では開腹時および手術終了時の測定も行った。術中に再開腹が必要と判断された症例では手術終了から6時間ごとの測定が行われ、再開腹が不要と判断された時点で測定を終了とした。非開腹症例では開腹不要と判断された時点で測定を終了した。開腹手術を施行した症例は、肉眼的に判断した腸管viabilityに基づいて切除範囲を決定しているが、切除範囲の長軸方向の距離と連続性を計測し、デジタル画像での記録も併せて行った。術後に摘出した標本の病理検査結果をもととし、術中に判断した虚血部位との整合性の確認を行った。また、術中の漿膜面からの肉眼所見から腸管虚血の判断が困難な症例は、術中に虚血が疑われる当該部位に対し術中消化管内視鏡を行うことで粘膜面の虚血の有無を判断した。これにより漿膜面からは判断困難な腸管のviabilityを判断することが可能となるため、過小判断により虚血腸管が温存する可能性や過大評価により脾虚血腸管を切除する可能性を極力回避することができ、手術時に腸管の温存範囲を適切に判断することが可能となると考えられた。検討症例の多くは腸管虚血時に血中乳酸値は上昇するが、症例によっては血中乳酸値の上昇が小さいこともあり、カットオフ値の決定には至っていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時に予定した腸管由来の脂肪酸結合蛋白の測定ができていない。また、Laser-Doppler式血流画像化装置のレンタルが出来ていない。一方、当初は予定していなかった術中内視鏡の使用が、腸管虚血の判断に有用と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
ちゅおかん由来の脂肪酸結合蛋白の測定キットを用いて測定を開始する。また腸管血流を測定する目的でLaser-Doppler式血流画像化装置のレンタルを行う。また、肉眼所見以外の腸管虚血部位の判断に術中内視鏡の併用を考慮する。
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Causes of Carryover |
腸管由来の脂肪酸結合蛋白の測定キットの購入、およびLaser-Doppler式血流画像化装置のレンタルが出来なかったことにより、これらに要する費用が次年度しようとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
腸管由来の脂肪酸結合蛋白の測定キットの購入、およびLaser-Doppler式血流画像化装置のレンタルを行う。データ管理および統計処理目的にパーソナルコンピューターを購入する。
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