2015 Fiscal Year Annual Research Report
急性腸間膜虚血の早期診断および救命率向上に向けた治療戦略の構築
Project/Area Number |
25462837
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金 史英 日本医科大学, 医学部, 助教 (90266859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増野 智彦 日本医科大学, 医学部, 講師 (00318528)
横田 裕行 日本医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60182698)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 急性腸間膜虚血 / 血中乳酸値 / 腸管由来脂肪酸結合蛋白 / 腸管viability / 術中内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は急性腸間膜虚血(Acute mesenteric ischemia: AMI)における早期診断と治療戦略の確立を目指して、(1)AMI患者における血中乳酸値、腸管由来の脂肪酸結合蛋白(Intestine fatty acid-binding protein: IFABP)の経時的測定・解析からの早期診断の確立、(2)AMI患者におけるLaser-Doppler式血流画像化装置(Laser-Doppler Imager: LDI)を用いた腸管Viabirityの評価、(3)腸管Viability評価に基づいた治療戦略の構築、を目的とした。 研究対象であるAMIは大きく腸間膜動脈血栓・塞栓症や腸間膜静脈閉塞症、非閉塞性腸間膜虚血(non-occlusive mesenteric ischemia: NOMI)に大別されるが、当施設においては本研究開始以前にはNOMIが大部であった。腸間膜動脈や静脈の閉塞は造影CTでの診断が容易で、虚血範囲も明瞭で切除範囲の決定や腸管viabilityの判断は比較的容易である。一方、NOMI早期診断が困難であることや、虚血範囲も非連続性(分節状に壊死)で腸管viabilityを判断することが困難なため切除範囲の決定が容易でないことより、本研究の主要な対象ととらえていた。しかしながら本研究期間中に主要対象となるNOMI症例は減少し、十分な研究対象数を確保出来なかった。腸管viabilityの判断の判断目的に当初はLDIのレンタルを予定したが、緊急性が高く全身状態不良症例の腸管粘膜のviability判断目的には術中内視鏡が適していると考え、研究期間中に導入した。その結果、術中内視鏡はviability判断や切除範囲の決定に有効でかつ実践的であり、今後のAMIの治療戦略を構築するうえでの研究課題となりうると考えた。
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