2013 Fiscal Year Research-status Report
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25462842
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
新山 修平 久留米大学, 医学部, 准教授 (40258455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 修 久留米大学, 医学部, 准教授 (90236216)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 敗血症 / サイトカイン / 敗血症関連脳症 / 性ステロイドホルモン / キヌレニン経路 |
Research Abstract |
敗血症は、感染症による全身性の炎症(主に炎症性サイトカインや抗炎症性サイトカインが関与)によって生じる一連の症候群であり、救急集中治療領域では現在でも治療に難渋し、未だ決定的治療法がなく、新規の薬物治療法が期待されている。 我々は、実験動物で汎用されている敗血症動物モデル(盲腸結紮穿孔モデル)を作成し、抗炎症作用のある各種性ステロイドホルモン(Estradiol、Progesteron、2-Methoxyestradiol)を投与し、敗血症関連脳症に対する病態解明、また治療法について模索することを主眼とした。 敗血症動物モデルはマウスを使用し、モデル作成後control群では4日以内に全例致死するモデルを確立した。モデル作成後、浸透圧ポンプを用いて上記各種薬物の持続注入を3日間行い、以下の知見を得た。 現在、1)Estradiolと2-Methoxyestradiolについては、致死モデルが長期生存するケースを確認できている。一方、2)我々が現在まで行った方法では長期生存率は低いと考える。3)そこで、あらゆる投与法の可能性(浸透圧ポンプ内の濃度、また浸透圧ポンプとの併用によるその他の投与経路など)を模索している。現状の方法では確率が低いとはいえ、敗血症致死モデルが薬物投与により致死を回避でき長期に生存できていることを考えると、上記薬物が極めて有効に作用する可能性がある。実際の敗血症患者に決定的治療法が確立されていないことを考えると上記薬物の適切な投与法や投与量を見出すことは大変重要であると考える。これらの知見をもとに、更に高い生存率の投与法を見出し、その後、中枢神経細胞保護効果の機序について検討する。以上。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敗血症動物モデル(盲腸結紮選考モデル)を作製し、4日以内に全例致死するモデルを確立することができた。 現在、各種性ステロイドホルモンをモデル作製後に投与することで長期生存例が存在することを確認できた。 しかしながら、長期生存するための最適な薬物投与量・投与法を見出すことに少々苦慮しており現在時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
更なる長期生存率上昇の可能性を模索するため、あらゆる投与法の検討を開始している。 具体的には、浸透圧ポンプの内の薬物濃度の変更、浸透圧ポンプによる薬物使用期間、または浸透圧ポンプとその他の投与法との併用等による生存率の差異を確認する。最適な投与法を確立した後、敗血症関連脳症に対する薬物の作用機序の解明と治療法をキヌレニン経路にも焦点を当てて検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
現在、当初の計画通り、敗血症モデルとしての盲腸結紮モデル作成は確立できた。また各種性ステロイドホルモンによる生存率についても検討し、それらの薬物作用による長期生存例も確認できているが、長期生存率の更なる改善にむけて薬物投与量や投与法をさらに検討している段階である。この検討にやや時間を要しているところである。 今後は、DNAマイクロアレイ法を用いた網羅的遺伝子発現の解析、さらに遺伝子発現変化が検出されたサイトカイン関連分子のmRNA発現をqRT-PCR法にて解析、種々のサイトカイン濃度をELISA法にて解析、中枢神経細胞の形態学的解析、電子顕微鏡を用いた中枢神経ミトコンドリアの3D構造解析を計画している。
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