2014 Fiscal Year Research-status Report
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25462842
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
新山 修平 久留米大学, 医学部, 准教授 (40258455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高須 修 久留米大学, 医学部, 准教授 (90236216)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 敗血症 / 敗血症関連脳症 / 盲腸結紮穿孔モデル / 17βエストラジオール / L-キヌレニン |
Outline of Annual Research Achievements |
重症敗血症は、近年、炎症性サイトカインをはじめとする種々の炎症性メディエータの関連が強く示唆されている。なかでも敗血症関連脳症の合併が予後不良の原因の一つとされ問題となっている。 そこで我々は敗血症動物(CLP)モデルを作成し、炎症性サイトカイン制御を介した治療法を模索する。一つはエストロゲン(E2)の抗炎症作用に、またもう一つは譫妄との関連が示唆されているキヌレニン経路に着目する。 まず、各薬物使用におけるマウスの生存率を調べた。E2は浸透圧ポンプを用いてモデル作成時に腹腔内に留置した。またL-キヌレニンについてはモデル作成の①前投与(1時間)、②同時投与、③後投与 (1時間)、④後投与 (3~4時間)でそれぞれ腹腔内注射を行った。なお、生存率のエンドポイントを術後7日目とした。 コントロール群とそれぞれの薬物投与群の2群間において生存分析をKaplan-Meier法を用いて計算し、統計学的評価はlog-rank検定で行った。A.コントロール群(n=8)とE2群(n=8)では7日目の生存率はE2群が有意に高かった(E2群の生存率38%、P<0.05)。B.コントロール群(n=11)とL-キヌレニン前投与群(n=14)ではL-キヌレニン前投与群の生存率が有意に高かった(生存率85%、P<0.0001)。C. コントロール群 (n=11)とL-キヌレニン同時投与群(n=10)ではL-キヌレニン同時投与群において生存率が有意に高かった(生存率40%、P<0.05)。D.コントロール群(n=11)とL-キヌレニン後投与(1時間)群(n=11)ではL-キヌレニン後投与(1時間)群において生存率が有意に高かった(生存率38%、P<0.001)。E.コントロール群(n=4)とL-キヌレニン後投与(3~4時間)群 (n=4)では有意差はなかった(生存率0%)ことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、盲腸結紮穿孔モデルを用いて17βエストラジオールやL-キヌレニンがマウス生存率改善に及ぼす機序を調べている。ここに若干の時間を要しており、そのために脳症に対する機序の解明がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は血漿中の炎症性サイトカインやトリプトファン・キヌレニンの解析、組織のTDO2(tryptophan 2,3-dioxygenase)やIDO1(Indoleamine 2,3-dioxygenase)の発現解析を行い、敗血症に対する新規治療法への応用を目指している。
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Causes of Carryover |
実験の進捗が若干遅延しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、網羅的遺伝子解析等の外注に費用がかかる予定である。
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