2013 Fiscal Year Research-status Report
骨芽細胞の分化と破骨細胞形成におけるPKRの機能解明
Project/Area Number |
25462859
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
羽地 達次 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50156379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺町 順平 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20515986)
森本 景之 産業医科大学, 医学部, 教授 (30335806)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | PKR / 炎症性骨疾患 / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
PKR変異RAW細胞を用いて,細胞膜融合分子の発現と破骨細胞形成機構を明らかにし,初代培養細胞を用いて破骨細胞の分化と骨吸収能に対するPKRの影響を調べた。PKR変異細胞をRANKLで刺激すると,TRAP 陽性単核細胞は多数出現するが,多核細胞はほとんど認められなかった。この結果は,PKR が破骨細胞膜融合関連分子の発現制御に関わり,破骨前駆細胞同士の融合段階に影響し,破骨細胞形成を阻害している可能性を示唆する。野生型およびPKR変異細胞をRANKLで刺激して,破骨細胞膜融合関連分子 (MFR, CD9, CD44,DC-STAMP, ADAM8, Atp6v0d2, E-cadherin) の発現をReal-time PCR とウエスタンブロット法を用いて解析した。また,マウス骨髄からマクロファージを採取し,この細胞をPKR 活性阻害剤2-aminopurine (2-AP) で前処理を行った後,それぞれの細胞をRANKL で刺激し,破骨細胞膜融合関連分子と成熟破骨細胞マーカー(カテプシンK,カルシトニン受容体,TRAP)の発現を調べた。 炎症性骨破壊モデルである歯周病モデルマウスを作成し,PKR活性化阻害剤である2-APの治療効果と予防効果について,骨形態計測による詳細な解析を行った。また,PKRに対するsiRNAを関節炎マウスの炎症による骨破壊部位に導入し,炎症性骨破壊部位におけるPKRの役割について解析をした。さらに、病変部位のPKRの遺伝子および蛋白質発現をin situハイブリダイゼーション法,免疫組織化学染色法,ウエスタンブロッティング法にて解析した。病的骨吸収状態に加えて,正常な骨破壊部位(新生仔マウス下顎骨歯牙萌出部位)でのPKRの発現を比較検討し,形態学的に解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度の研究成果についてはおおむね順調に遂行している。のちに示すようにPKR,骨芽細胞,破骨細胞,炎症性骨疾患に関して数編の論文を発表し,かつ,シンポジウムを含む10題以上の学会報告を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
人工的に歯周炎モデルマウスを作成し,PKR阻害剤を投与し,慢性歯周炎が治癒するかどうかを形態学的に解明していく。また,PKR阻害剤を投与したマウスの骨髄細胞を採取し,PKR関連分子がどのように変化していくか詳細に調べる。
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Research Products
(22 results)