2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜上皮におけるメカノセンサー Piezoの発現と機能調節
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25462861
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
畠山 純子 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (50374947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔粘膜上皮 / 機械刺激センサー |
Research Abstract |
口腔は多様な刺激に晒されている。常に咀嚼、嚥下や会話等により物理的機械的な力がかかり、粘膜の構築はそれに対応して口腔内で頬、口蓋や舌などの部位による多様性を示していると考えられる。 本研究は、Piezo が口腔粘膜においても機械刺激のレセプターとして働くのではないか、また機械刺激を常に受ける口腔内において Piezo が口腔粘膜上皮の Anoikis に関わり、結果として皮膚に比べ数倍速い口腔粘膜上皮のターンオーバーがおこるのではないかとの仮説をたて、研究を行った。 研究は5週齢のC57/BL6Nマウスの皮膚と歯肉、頬粘膜および口蓋粘膜を対象に、発現の局在を免疫組織化学的検索により解析した。また定量的PCRにより解析した。その結果、免疫組織化学的検索により、Piezo1が5週齢のマウス歯肉上皮および頬粘膜上皮の顆粒細胞層、有棘細胞層に発現することが認められた。また定量的PCRにより、頬粘膜におけるPiezo1の発現は皮膚に比較して高い発現をしていることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
機械刺激センサーとして知られるPiezo1は、細胞接着不全に起因する細胞死として知られるAnoikisに関わることが報告されている。しかし口腔領域での報告はこれまで皆無である。そこで申請者は、口腔粘膜におけるPiezoの発現について検討をした。しかしながら、これまで他の組織においても、in vivoでの染色を行った報告が少なく、どの抗体が染色に適しているかが不明であった。そこで、数種類の抗体を用いて染色を行うなど、適条件を検討する必要が生じ、進行が若干遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
1. Piezoの機能解析を行う a. 口腔粘膜上皮の初代培養細胞を用いて、Whole cell patch clamp 法にて機械的な刺激による Piezo の膜電流変化を解析する。BalbC/Bl6 マウスの口腔粘膜を採取し、dispase 処理により、初代培養もしくは急性単離した細胞を電気生理学的解析に用いる。Piezo の抑制剤である N-methyl-D-glucamine (NMDG)-chloride もしくは gadolinum (Gd3+)を用い、膜電流の抑制を確認する。 b. 口腔粘膜上皮の適機械刺激を調べるため、細胞進展装置により伸展刺激を加えてカルシウムイメージングで活性化を観察する。 2. PiezoとAnoikisの関係について明らかにする a.培養口腔上皮細胞に Piezo の抑制剤、細胞接着因子の siRNA 法を用いて、Piezo の 口腔上皮における Anoikis への作用を解明する。 b. 培養口腔扁平がん細胞に Piezo の抑制剤を用いて、Piezo の口腔扁平がん細胞におけ る Anoikis への作用を解明する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
申請者は口腔粘膜における免疫組織化学的検索により、Piezo1の発現を明らかにすべく研究を行っているが、これまで他の組織においてもin vivoでの染色を行った報告が少なく、どの抗体が染色に適しているかが不明であった。そこで、数種類の抗体を用いて染色を行い、適条件を検討する必要が生じたため、進行が遅延している。 今後は抗原ペプチドを用いて確認をする必要があると考えている。そこで、抗原ペプチドの購入や必要であれば他社の抗体および抗原ペプチドを購入して研究を行っていく予定であり、次年度使用額が生じた。
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