2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25462870
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
豊島 邦昭 九州歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (10112559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬田 祐司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (90291616)
豊野 孝 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (10311929)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 味蕾 / エストロゲン / アロマターゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、乳癌の治療に使用されるアロマターゼ阻害剤より味覚異常を引き起こすことが、報告されており、アロマターゼにより合成される性ステロイド(エストロゲン)が味蕾における味覚情報伝達に重要な働きを演じていることが推測される。しかしながら、味覚研究において性ステロイド(エストロゲン)の味覚情報伝達における機能についての研究は,我々の研究グループ以外では行われていない。本研究ではこれまでの我々の研究をさらに発展させて、味蕾における性ステロイド(エストロゲン)の機能の解明を目的として、アロマターゼノックアウト(ArKO)マウスを使用して、味覚情報伝達や味蕾細胞の分化におけるエストロゲンの機能の検索を試みた。 ArKOマウスの有郭乳頭の味蕾を形態学的に検索したが、野生型のマウス味蕾と比較して、大きな微細構造的な変化は観察されなかったが、2型細胞と神経終末との間にシナプス下槽様の構造物が減少していることが観察された。しかしながら、2ボトルテストでは甘味に関する感受性が野生型に比較して低下していることがわかった。さらに、ArKOマウスにエストロゲンを投与により、甘味に関する感受性の回復が見られるかどうか試みたが、投与による回復は認められなかった。 今回の研究で、味覚のうち甘味受容・伝達に性ホルモン(エストロゲン)が関与していることが推測された。
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