2013 Fiscal Year Research-status Report
歯周病病原菌由来ペプチド分解酵素に関する構造機能相関研究
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25462872
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
阪本 泰光 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (00349036)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | S46 peptidase |
Research Abstract |
今年度は、多剤耐性菌及び歯周病菌S46ファミリーペプチダーゼに属するP. mexicana由来DAP BIIの基質との共結晶を得る事に成功した。これまでに得られていた宇宙で結晶化した結晶から得られた立体構造等から、DAP BIIの基質認識機構を明らかにした。構造解析の結果、DA PBIIは触媒ドメインとヘリカルドメインの間にあるクレフトが基質非結合時には開口しているが、基質結合時には閉じることが明らかとなった。また、その開閉メカニズムに関与するアミノ酸は基質ペプチドN末端側を認識するHis 330であることが判明した。S46ファミリーの酵素は他のclan PAに属する酵素がエンド型プロテアーゼであるが唯一エキソ型ペプチダーゼであることが謎であった。本研究によるS46酵素の構造解析により、DAP BIIの触媒ドメインの構造はキモトリプシンなどとほぼ同じ構造を持つことが明らかとなり、N末端側の認識が厳格に行われることにより、ジペプチド単位での切断が行われていることを明らかにした。また、開閉機構によりDAP BIIに収容されうるペプチドまでの長さのペプチドが基質となり、タンパク質を基質とすることは困難であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界で初となるS46ペプチダーゼの立体構造を明らかにした。 DAP BIIの構造解析に成功したことで、S46ファミリーに属する酵素の構造予測・阻害剤設計、分子置換法によるX線結晶構造解析が可能となった
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Strategy for Future Research Activity |
病原菌由来S46酵素の結晶化を進め、立体構造解析を行う。 。来年度以降は、歯周病菌をはじめとするS46ファミリー酵素の構造予測・阻害剤設計及びX線結晶構造解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果発表が遅れ、年度内の学会での発表を見送ったため。成果発表旅費約30万円を使用しなかったため。 今年度は、基質等との複合体の構造解析・生化学的解析に必要なペプチド合成及び病原性細菌由来S46酵素の発現に必要なDNA合成を行い、S46ファミリーに属する酵素の基質認識機構及び化合物スクリーニングを行う予定。 また、研究成果発表のため国際学会に出席予定である。
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Research Products
(4 results)