2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病病原菌由来ペプチド分解酵素に関する構造機能相関研究
Project/Area Number |
25462872
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
阪本 泰光 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (00349036)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 構造生物学 / 抗菌薬 / ペプチダーゼ / 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は、世界で最も患者数の多い感染症と言われ、日本では80%以上、アメリカでは60%以上が罹患しているとされる。さらに、歯を失うほどの深刻な歯周炎に35歳~44歳の成人の15~20%が罹患している。慢性歯周炎菌P. gingivalis, 根尖性歯周炎菌P. endodontalisは糖を代謝せず、タンパク質やペプチドをエネルギー源として利用していることが知られている。近年、P. gingivalis、P.endodontalisの細胞壁のペリプラズムに共通して存在するClan PA S46に属する酵素がペプチドを内膜のペプチドトランスポータによって輸送されやすい形であるジペプチドに分解していていることが明らかとなった。本研究では、歯周病菌のジペプチド代謝経路に重要な、S46ファミリーに属するDPP7、DPP11の構造生物学的研究を行った。 研究2年目には、多剤耐性菌S. maltophilia の類縁菌であるPseudoxanthomonas mexicana WO24由来DAP BII(微生物DPP7)の触媒残基変異体と基質複合体(7種)の立体構造を決定し、DAP BIIの基質認識機構と反応機構を解明した(Acta Crystallogr. 1報、Sci. Rep. 2報)。DAP BIIの立体構造とPeDPP7やPgDPP7のアミノ酸配列比較から微生物DPP7の基質認識に関わるアミノ酸が保存されていることを明らかにした。 最終年度には、歯周病菌P. gingivalis由来DPP11の立体構造を決定し、DAP BII(微生物DPP7)とのサブサイトS1の比較解析から、Clan PA S46酵素の基質認識機構を提唱した(Acta Crystallogr. 1報、Sci. Rep.1報)。
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[Journal Article] Structural and mutational analyses of dipeptidyl peptidase 11 from Porphyromonas gingivalis reveal the molecular basis for strict substrate specificity.2015
Author(s)
Sakamoto Y, Suzuki Y, Iizuka I, Tateoka C, Roppongi S, Fujimoto M, Inaka K, Tanaka H, Yamada M, Ohta K, Gouda H, Nonaka T, Ogasawara W, Tanaka N.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 87
Pages: 11151
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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