2014 Fiscal Year Research-status Report
歯髄で高発現するホメオボックス遺伝子MSXファミリーの機能解析
Project/Area Number |
25462889
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 勝巳 広島大学, 医歯薬保健学研究院, 助教 (40294566)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歯髄 / 骨芽細胞分化 / 象牙芽細胞分化 / MSX1/2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ホメオボックス型転写因子であるMSX1の歯髄における役割を解明することを目的とし、研究を進めている。 MSX1抗体による免疫染色を行い、マウス歯牙におけるMSX1の局在性について解析した。MSX1は臼歯の象牙芽細胞層の象牙芽細胞および歯髄細胞に高く発現していたが、歯髄の中心部にはあまり発現していなかった。 歯髄細胞の骨芽細胞/象牙芽細胞分化に対するMSX1ノックダウンの影響について解析した。アリザリンレッド染色実験により、MSX1ノックダウンにより歯髄細胞の石灰化の抑制が観察された。骨芽細胞/象牙芽細胞分化関連遺伝子であるアルカリンフォスファターゼ、オステオカルシン、タイプIコラーゲン、RUNX2、BMP2のmRNA発現がMSX1ノックダウン細胞では強く抑制された。また、MSX1ノックダウンによるアルカリンフォスファターゼ活性の低下も確認された。これらの結果は、MSX1が歯髄細胞において骨芽細胞/象牙芽細胞分化の促進因子として機能していることを示している。 さらに、マイクロアレイにより骨分化誘導条件下でMSX1ノックダウンにより発現が変化する遺伝子を網羅的に解析した。その結果、コレステロール代謝に関連する遺伝子等が特異的に誘導されており、逆に、インテグリン関与の細胞接着に関連する遺伝子等の発現が減少していた。MSX1はこれらの標的遺伝子を仲介して、骨芽細胞/象牙芽細胞分化の制御に関わっていると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯髄細胞の骨芽細胞/象牙芽細胞分化に対するMSX1の促進作用を明らかにした。また、MSX1の標的と予想される遺伝子群を明らかにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
MSX1の骨芽細胞/象牙芽細胞分化促進の分子メカニズムについて解析を進めていく予定である。マイクロアレイ解析によりMSX1の下流に存在することが予想された遺伝子について、リアルタイムPCRによる発現確認実験を行う。また、そのシグナル経路を促進もしくは抑制する薬剤を用いてMSX1の作用に対する影響について解析する。
|
Causes of Carryover |
Chip-Seq解析および遺伝子発現解析に必要な費用が最初の予想よりも少なかったために、次年度使用額が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初の研究計画に追加して、新たにMSX1の下流シグナル経路の解析実験を行う。次年度使用額はこれらの実験に使用する。
|
Research Products
(6 results)
-
-
-
[Journal Article] A novel protein, CHRONO, functions as a core component of the mammalian circadian clock2014
Author(s)
Goriki A, Hatanaka F, Myung J,Kim J, Yoritaka T, Tanoue S,Fujimoto K, Kato Y, Matsubara A, Forger D, Takumi T
-
Journal Title
PLoS Biology
Volume: 12(4)
Pages: e1001839
DOI
Peer Reviewed
-
-
-