2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病増悪因子Cot/Tpl2を分子標的とした治療法を探る
Project/Area Number |
25462895
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
柿元 協子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40274849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松口 徹也 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (10303629)
大西 智和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (30244247)
坂東 健二郎 明海大学, 歯学部, 講師 (50347093) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Cot/Tpl2 / MAP3K / 歯周病 / LPS / NF-kB / マウスモデル / DUSP16 / JNK |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内シグナル分子であるMAP3K8/Cot/Tpl2は、歯周病原菌の菌体成分LPSの刺激による分解の後、NF-kBを介して発現誘導される、まれなMAP3Kであることが明らかとなった。 最終年度には、遺伝子のプロモーター領域において、この発現誘導に関わるNF-kB結合部位の検索を行うため、プロモーター解析用のLuciferase 発現ベクターと骨芽細胞株を用いた実験を行った。すると、今まで報告されていない-230から-50bpの領域が、新たなNF-kB結合推定部位3か所を持つ可能性が見出された。現在、結合推定部位に変異を持つベクターを作製済みであり、3か所のうちのどの部位が重要であるか、解析を進めている。 今回の研究では、我々が作製に成功したマウスの歯周病モデルを、JNK脱リン酸化酵素であるDUSP16のトランスジェニクマウスで作製した結果、DUSP16が歯周病発症を抑制する可能性が示された。野生型マウスの歯周病モデルでは、歯周病の発症のみならず歯周組織の再生も再現可能であったことから、このモデルが歯周病の増悪と治癒の双方のメカニズムの探索に有用であることが示された。 今後は、一連のLuciferase 発現ベクターを用い、様々な歯周組織由来の細胞でのMAP3K8/Cot/Tpl2の発現誘導を調べるとともに、LPS以外の歯周病原菌の菌体成分、炎症性サイトカインの刺激などについても解析する予定である。 これらの研究により、MAP3K8/Cot/Tpl2を介した歯周病の増悪や歯周病再生抑制に関与する細胞が予測可能となる。同時に、歯周病モデルでのCot/Tpl2遺伝子発現状況、病態との相関性を調べることで、より詳細な解析が可能となる。MAP3K8/Cot/Tpl2、DUSP16を分子標的とし、歯周病の増悪抑制ならびに再生治療の、双方を視野に入れた研究がさらに進むものと期待される。
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