2014 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞形成におけるリナカンチンCの抑制作用の分子メカニズム
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25462898
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
友村 美根子 明海大学, 歯学部, 准教授 (30217559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 龍一郎 城西大学, 薬学部, 助教 (20415201)
白瀧 義明 城西大学, 薬学部, 教授 (60077980)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 破骨細胞 / 骨吸収 / シグナル伝達 / 生薬由来化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
白鶴霊芝から抽出したリナカンチンCに、骨吸収を担う破骨細胞の分化を抑制する効果を見出した。リナカンチンCはランクルによるTRAF6-TAK1コンプレックス形成を抑え、破骨細胞のマスター転写因子であるNFATc1の誘導に必要なNF-κBおよびMAPKs(JNK, ERK)のシグナル経路の活性化を抑制し、最終的に破骨細胞の分化を抑制することを骨髄由来培養細胞を用いて明らかにした。本年度はin vivoでの効果について検討した。マウス頭蓋骨頂部骨膜下にランクルを注入すると投与部位頭蓋骨のTRAP陽性細胞の増加と骨吸収が促進された。一方、ランクルとリナカンチンCを同時投与すると、ランクルによる骨吸収が緩和された。またリナカンチンCはLPSによるin vitro, in vivoに於ける破骨細胞の分化及び骨吸収作用についても抑制効果を示した。以上から、リナカンチンCは骨粗鬆症や歯周病などの骨破壊性疾患の治療や改善に有効であることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リナカンチンCの破骨細胞の分化、活性を抑制する効果についてはin vitro及びin vivo両方の実験系で証明することができた。また、作用機構に関しても概ね明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
TRAF6-TAK1の上流シグナル(ユビキチン化、RANK)へのリナカンチンCの影響についてさらに検討する。またリナカンチンCの直接の標的分子について解析を進める。計画当初はリナカンチンC を結合させた磁性ビーズを用いる予定だったが、適切な官能基がなく、官能基導入を考えたが高額のため遂行不可能であることが分かった。そこで、サーモライシンに対する分解抵抗性の違いを利用したDARTS法(drugaffinity responsive target stability)を用いて検討する
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Causes of Carryover |
1、質量分析解析費に予定していたが、計画変更のため次年度にまわした。 2、骨構造解析の受託研究費に用いたが、本年度の決済に間に合わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質量分析解析費(受託) 骨構造解析受託研究費
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Research Products
(3 results)