2014 Fiscal Year Research-status Report
CT・MRI・IGRT対応放射線治療用口腔保定装置の開発と精度解析
Project/Area Number |
25462916
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柿本 直也 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50324794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隅田 伊織 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10425431)
島本 博彰 大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (30448112)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / 放射線治療 / 口腔保定装置 / IMRT / IGRT / CT / MRI / CBCT |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部癌において外部放射線治療の先端技術である強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)は必須の治療法となっている。頭頸部の放射線治療では、患者の固定装置として熱可塑性の樹脂製のシェルを用いている。しかしながら、材質が樹脂であるため若干の余裕や歪みがあり、3mm程度の誤差があると報告されている。頭頸部癌の放射線治療に関して可動部と考えられるのは下顎である。しかし、レジン系素材による上下顎一体型の口腔保定装置を採用することにより、放射線治療時間中の下顎位の誤差を最小にすることが可能であると考える。そこで、下顎の安定、精度評価が可能な形態、作成の簡便性、照射X線に影響を与えない材料を求め、レジン系素材による上下顎一体型口腔保定装置を開発し、本装置を用いて精度の探求を行うことが本研究の目的である。 本年度は、レジン系素材を用いた上下一体型口腔保定装置とシリコーン印象剤使用口腔保定装置のエックス線吸収率を計算した。レジン系素材ならびにシリコーン印象材素材ともエックス線吸収率は治療用ファントムより高いことがわかった。従って、上記レジンケイ素剤ではCTベースでの放射線治療計画にいくらかの影響を及ぼすことが判明した。ただし、わずかにレジンケイ素剤のエックス線吸収値の方が低値であることも判明した。ドライスカルによるFusion再現性に関しては概ね良好であった。今後の改良点として、レジン系素材にこだわらず、3Dプリンタを用いたアクリル系素材についても素材の検討余地があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、レジン系素材による上下一体型口腔保定装置は強度変調放射線治療ならびに画像誘導放射線治療における口腔領域の安定性を向上するのみならず、CTを用いた治療計画の改善にも寄与すると考えて研究を行ってきた。これまでの結果より位置精度に関する治療安定性に関しては寄与することがわかったものの、治療計画時の精度誤差に関しては従来のシリコーン印象剤素材と大差が無いことが示された。今後、他の素材も検討しながら、更なる放射線治療精度向上のための研究を継続する予定である。そのためにアクリル系素材を用いることを予定している。 そのため、当初の計画よりやや遅れているが、次年度で遅れを取り戻し目標通り研究を遂行する事は可能な状況と予想する。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の研究進捗状況は上記の様にやや遅れていると判断している。しかしながら研究の遂行過程は当初の計画通り、更にはよい方向で改善点が見つかっており、計画の変更は予定していない。 今後は、装置の作成、画像の取得、画像の評価が予定されているが、研究分担者と密に連絡を取り、それらが滞り無く進むことで計画の遅れを取り戻す予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度に購入した三次元画像解析ソフトAnalyzeがディスカウントプライスで購入できたため、昨年度に次年度使用額が生じていた。本年も次年度使用額が生じているが、この金額は前年度の繰り越し金額とほぼ同程度であり、本年度の使用額は予定通りであった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度には新しい実験材料費も必要なことより、同財源として次年度に使用する予定である。
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