2013 Fiscal Year Research-status Report
歯科用IPを用いた原子力発電所事故による放射性セシウムの検出能
Project/Area Number |
25462919
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉田 みどり 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30243728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 直樹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10219272)
誉田 栄一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30192321)
細木 秀彦 徳島大学, 大学病院, 講師 (60199502)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 歯科用イメージングプレート / 福島第1原子力発電所 / 放射能濃度 / セシウム137 / セシウム134 / ベータ線 / ガンマ線 |
Research Abstract |
東日本大震災に伴う、福島第1原子力発電所の事故により、福島県では、大気、土壌、地下水、海水に多量の放射性セシウムが拡散した。また、放射性セシウムは隣接する関東地方にも多く沈着し、飲料水、食物などに含有しているか否かが日本中で問題となり、関連する地域では風評被害などがおき、大きな社会問題に発展している。本研究では、この放射性セシウムを簡便に測定できる方法を考案することを目的として、医療現場で頻繁に用いられているイメージングプレートを検出器として用いることを考えて計画の立案を行った。さらに、現在では、歯科医院の50%以上でこのイメージングプレートを使用していることから、日本中のいたるところで、測定の可能性をも考えた。 本年度では、福島県から放射性セシウム濃度測定の依頼を受けている土壌を用い、異なる濃度のサンプルを作製した。放射性セシウムの濃度を、100Bq/Kg,50Bq/Kg、20Bq/Kg,10Bq/kg,5Bq/Kgの5種類の土壌を、ゲルマニウム半導体測定器用の標準容器に埋入し、コントロールとして今回の事故によっては放射性セシウムが含まれていない土壌を用い、計6種類の標準試料を作製した。これらの標準試料を医科で用いられ散るイメージングプレート上に同時に置き、一定時間の暴露を行い、放射能濃度と暴露時間との関係を調べた。時間は1時間、3時間、5時間、7時間、1日、2日、10日とした。暴露後、IPリーダーで、臨床で用いられている感度、オートモード、最高感度により、読み取りを行い、各条件下での放射性セシウムの検出を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の計画に従った計画まで達成している。放射性セシウムの濃度が、100Bq/Kg,50Bq/Kg、20Bq/Kg,10Bq/kg,5Bq/Kgの5種類の土壌を、ゲルマニウム半導体測定器用の標準容器に埋入し、コントロールとして今回の事故によっては放射性セシウムが含まれていない土壌を用い、計6種類の標準試料を作製した。これらの標準試料を医科で用いられ散るイメージングプレート上に同時に置き、一定時間の暴露を行い、放射能濃度と暴露時間との関係を調べた。時間は1時間、3時間、5時間、7時間、1日、2日、10日とした。暴露後、IPリーダーで、臨床で用いられている感度、オートモード、最高感度により、読み取りを行い、各条件下での放射性セシウムの検出を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.放射線セシウムはガンマ線とベータ線を放出する。これらベータ線とガンマ線のイメージングプレートに対する影響を調べるために、ベータ線だけを遮断したものと、遮断しないものの2種類の比較により、両線のそれぞれの影響を調べる。ベータ線は次式により、完全に遮断されることから、最大エネルギーを式に代入し、アルミニウム厚さを求め、アルミ板の有無によるイメージングプレートの反応を調べる。 R[g/cm2]=0.542Eー0.133 (E>0.8MeV) (Eはベータ線の最大エネルギー値) 2. 地域による放射能濃度の不均一製の検討 福島県下に沈着している放射性セシウムは、同じ放射能濃度であっても均一となっていないことが、応募者らの研究で判明している。放射性セシウムはある程度の集団となっていて散在していることがしばしばある。その場合には、集団での放射能濃度は非常に高くなり、検出が容易となる。それらの影響を検討する。 3.最終的に歯科用IPでの実用的な放射能濃度の検出能(時間および放射能濃度との関係)を決定する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
容器製作が特注で、時間がかかり、完成してしなかったため 平成26年6月頃完成予定のため、納品次第支払う予定である。
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