2014 Fiscal Year Research-status Report
歯科用コーンビームCT装置を維持管理するための品質保証計画実施用ファントムの開発
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25462933
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
西川 慶一 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30180590)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯科用コーンビームCT / 品質保証計画 / 画素値 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、歯科用コーンビームCTの画素値の安定性を評価するためのファントム製作を中心として研究活動を行った。 歯科用コーンビームCTは医科用CTに比べて低い管電圧と薄いろ過を使用するため、線質硬化の影響が強く現れる。このため、画素値の安定性を評価する際には、可能な限り線質硬化の影響のない状態で画素値の測定を行う必要がある。そこで、円柱形骨密度ファントムを利用した画素値測定用ファントムを製作するにあたり、まず適切な骨密度ファントムの直径を決定するための予備実験を行った。すなわち、直径の異なる4種類(5mmφ、10mmφ、20mmφ、30mmφ)の円柱形骨密度ファントム(CaCO3濃度50%、高さ8mm)を作製し、歯科用コーンビームCT装置で撮影して、ファントム像の画素値プロフィールを比較した。撮影は空気中および水ファントム中で行い、撮影時の管電圧は60、70、80、90kVと変化させた。そして、線質硬化の影響が弱いほどファントムの画素値プロフィールが平坦化すること、画素値の測定には可能な限りファントム直径が大きい方が好ましいことを判断基準として、直径10mmの骨密度ファントムを使用することにした。また、骨密度ファントムは水中で撮影した方が良いと考えられた。 これらの結果を受け、直径10mm、高さ8mm、CaCO3濃度10、25、37.5、50%の4種類の円柱形骨密度ファントムをX線学的に水と同等であるウレタン系樹脂製円柱ファントムの中に埋入した画素値測定用ファントムを製作した。ファントムの大きさは、医科用CT用の頭部標準ファントムと同じ直径160mmφ、高さ150mmとした。直径80mmφのファントムも同時に製作した。また、MTF測定用ファントムも併せて製作した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯科用コーンビームCTの品質保証・品質管理のうちで、医科用CTの手法がそのまま流用できないのは画素値の安定性とMTF(空間分解能)の評価である。それらの評価のために必要なファントムは、種々の予備実験の結果を基に、本年度中に製作することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に製作したファントムを種々の歯科用コーンビームCT装置で撮影し、その有用性を検証した後、品質保証計画の実施方法について整理する。
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Causes of Carryover |
データ解析を効率的に行うことが可能な新型の3次元画像解析ソフトが販売されたが、価格的に当該年度の予算だけでは賄えないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度の残高と次年度の補助金とを併せて、上記の3次元画像解析ソフトを購入する予定である。
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