2014 Fiscal Year Research-status Report
上顎結節部へのインプラント治療は本当に安全か?-解剖学的・バイオメカニクス的検討
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25462936
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
代居 敬 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (10167025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 泰輔 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (30350143)
浅海 利恵子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (30548243)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯科放射線診断学 / インプラント / CBCT |
Outline of Annual Research Achievements |
【解剖献体のCBCT撮影】CBCT装置(AZ3000CT:朝日レントゲン工業(株))を用いて、前年度の撮像に加えて、解剖学実習献体25体の上顎前歯部、下顎前歯部および下顎臼歯部を撮像した。すべての撮像は、前年度と同様にI-mode(79mmφ×70mm、ボクセルサイズ0.155mm)で行い、画像収集を行った。 【画像分析】画像ソフトウェア(Mimics:マテリアライズジャパン(株))を用いて、前年度と同様に、フランクフルト平面、正中矢状面を基準平面として、前鼻棘との三次元的な距離計測、翼突上顎縫合部最下点から5mm、10mm前方における歯槽骨の垂直的高径(歯槽頂から翼突上顎縫合部最下点間、歯槽頂から上顎洞底間、歯槽頂からANS間)および水平的な幅径の計測を行った。加えて、翼突上顎縫合部最下点から5mm、10mm前方におけるcross-sectional画像を用いて、Gray-Scale値から、歯槽頂部、翼突上顎縫合最下点・上顎洞底の高さの頬側および口蓋側部の皮質骨の厚さを計測した。また他の部位との比較のために、上顎前歯、犬歯小臼歯、下顎前歯、犬歯小臼歯、大臼歯部に計測位置を設定し、皮質骨の厚さを計測した。 【CBCTを撮像した試料の解剖】昨年度同様に上顎結節およびその周囲の剖出を行い、神経・脈管の走行を確認した。剖出した試料とは別に、組織切片を作製中であり、主に骨の構造を観察するために用いる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試料の撮影は順調に進み、解剖献体の撮影および画像分析はおおむね順調に行えた。しかし、FEM解析モデルを作成する際に、アーチファクトによる影響が大きく、モデル作成のための設定条件について苦慮している。解剖献体の剖出による神経・脈管の観察に関しては、神経・脈管がもろく走行の確認が困難なものが存在したため、まだ予定をしていた剖出献体数に達していない。組織切片に関しては試料の脱灰に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
剖出による観察献体数が足りないため、解剖献体数を増やし、前半までには撮影および剖出を終了する。また、これに平行して画像解析は25・26年度と同様に行う。組織切片試料に関しては脱灰ができた試料からいくつかの染色方法で観察する。FEM解析モデル作成を引き続き行い、適切なモデル(上顎大臼歯部の歯の欠損状態の異なるもの、骨の吸収状態、骨の皮質骨の異なるもの)を抽出し、解析を行う。各モデルに対して、インプラントの形態、埋入部位・方向の違いによる応力解析を行う。本年度の後半では画像分析、肉眼解剖観察、顕微解剖観察、応力解析の結果から、上顎結節部へのインプラントの安全性を検討する。
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Causes of Carryover |
25年度の残額が26年度にあったため、その分で統計ソフトを購入する予定であったが、研究が遅れていることもあり、新たな統計ソフトはある程度データがそろってから27年度に購入することにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残額分は統計用ソフトウェアを購入する。
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Research Products
(1 results)