2013 Fiscal Year Research-status Report
象牙質内因性マトリックスメタロプロテアーゼ活性を抑制する接着修復法の開発
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25462959
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西谷 佳浩 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60325123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10201071)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 接着歯学 / 象牙質 / マトリックスメタロプロテアーゼ / レジン |
Research Abstract |
実験に使用する象牙質試料を、ヒト抜去歯のエナメル質とセメント質を完全に除去した象牙質とし、それらを脱水して液体窒素にて凍結後,凍結粉砕機にて球径180μm以下の象牙質粉末を得た。 次いで、歯面処理直後における象牙質接着性を低下することなく、かつMMPs活性阻害が可能なDTPAの適正濃度を確定するための実験に使用する光硬化型象牙質接着システムの有効性について検討を行った。接着システムは、4METを接着性モノマーとして、UDMA/水/アセトンで構成される光硬化型レジンを作製した。光重合開始剤としてカンファーキノンおよびスルフィン酸芳香族アミンを添加した。無機フィラーの配合の有無については、いずれにおいても接着強さに差はないものの、無機フィラーなしではPhase separationが生じやすい傾向であった。 0.1~2.0% DTPAを配合した接着システムを用いた24時間後の象牙質接着強さはコントロール(DTPAなし)と比較して低下しなかった。さらに、20%DTPA溶液を前処理剤として応用した場合においても接着強さは低下しなかった。 DTPAで象牙質を処理した場合の象牙質MMPs活性についてTypeICollagenase Assay KITを用いて行った結果、2~20%DTPA溶液で十分な抑制効果が得られることが明らかとなった。さらにDTPA溶液による抑制効果は、比較的速やかに生じており、1分間を超えた処理時間の延長による抑制効果の増加は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度前半において実験用象牙質試料および新規接着システムを作製し、平成25年度に予定した象牙質接着強さおよび象牙質マトリックスメタロプロテアーゼ活性について検討を行っていることから、研究は順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26~27年度では、これまでに得られた結果を解析することによってDTPAの効果的な適正濃度を確定し、DTPA配合光硬化型接着システムによる長期水中浸漬後の象牙質接着強さおよび象牙質MMPs活性を測定する。観察期間は最長で2年間を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた試料作製の一部に遅れが出ているため、当初予定した使用額に未使用が生じている。 本年度予定の試料作製と合わせてすべて使用する予定である。
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