2014 Fiscal Year Research-status Report
低出力レーザー照射による関節リウマチの遺伝子発現の抑制
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25462970
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久保山 昇 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (10102576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BHAWAL Ujjal 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50433339)
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 低出力レーザー照射 / 関節リウマチ / リウマチ発症因子 / 遺伝子 / 骨吸収 / 海綿骨 / 実験動物用マイクロX線CT / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト関節リウマチモデルのⅡ型コラーゲン誘発性関節リウマチ(CIA)ラットを用いて、実験動物用マイクロX線CT(µCT)装置による、海綿骨の3次元微細構造の解析を行った結果、低出力レーザー(LLL)照射は、CIAラットの踵・膝関節の骨糜爛と骨吸収を有意に抑制した。CIAラットの膝滑膜組織からリウマチ発症因子の遺伝子発現を検討した結果、CIAラットで増大し、LLL照射により有意に抑制した。血清中サイトカインに関しては、LLL照射はCIAラットの血清中IL-1,IL-6,CRPおよびMMP-3の上昇を有意に抑制することを明らかにした。また、LLL照射は、CIAラットの膝関節およびヒト関節リウマチ線維芽細胞様滑膜細胞(MH7A)に対して、リウマチ発症因子の遺伝子であるIL-20遺伝子およびIL-1ßの発現を有意に抑制した。さらに、ヒト関節リウマチモデルであるCIAマウスを用いて,発光ダイオード(LED)照射による抗炎症作用を検討し、CIA発症後4週目のLED-570 、LED-940群の腫脹抑制率は、18.1±4.9%、29.3±4.0 %を示して、LED-940照射は、CIAマウスの血清中IL-1、IL-6およびMMP-3の上昇を有意に抑制することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、ヒト関節リウマチモデルであるCIAラットを用いて、踵・膝関の海綿骨の3次元微細構造の解析を行っており、LLL照射は、CIAラットの踵・膝関節の骨糜爛と骨吸収を有意に抑制することを明らかにした。また、LLL照射は、CIAラットおよびヒト関節リウマチ線維芽細胞様滑膜細胞(MH7A)に対して、LLL照射は、リウマチ発症因子の遺伝子であるIL-20遺伝子およびIL-1ßの表現を有意に抑制することを明らかにした。さらに、CIAマウスを用いて、発光ダイオード(LED)照射による抗炎症作用を検討した結果、LED-940群の腫脹抑制率は、 29.3±4.0 %を示した。LED-940照射は、CIAマウスの血清中IL-1,IL-6およびMMP-3の上昇を有意に抑制することを明らかにした。しかし、骨吸収部位の破骨細胞分化促進因子RANKL および破骨細胞分化抑制因子OPG 発現の変化を免疫組織学的に検討するところまでは実験が進展していない。
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Strategy for Future Research Activity |
LLL照射の影響を情報伝達系レベルで網羅的、包括的に解析すると共に、骨吸収部位の破骨細胞分化促進因子RANKL および破骨細胞分化抑制因子OPG 発現の変化を免疫組織学的に検討する。さらに、LLLおよびLED照射による骨増殖因子の遺伝子発現を網羅的に解明し、新生骨の破骨細胞分化促進因子RANKL および破骨細胞分化抑制因子OPG 発現の変化を免疫組織学的に検討する。また、初期の骨形成に関与するTGF-ß系骨形成である1型collagen、OsteocalcinおよびRunx2などを検討する。
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Causes of Carryover |
リウマチ発症因子および初期の骨形成に関与するTGF-ß系骨形成である1型collagen、OsteocalcinおよびRunx2などの遺伝子発現を網羅的に解明する。また、骨吸収部位の破骨細胞分化促進因子RANKL および破骨細胞分化抑制因子OPG 発現の変化を免疫組織学的に検討するところまでは実験が進展していない。従って、次年度には研究の進展を図り予算を使用する予定です。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、骨吸収部位の破骨細胞分化促進因子RANKL および破骨細胞分化抑制因子OPG 発現の変化を免疫組織学的に検討し、予定に従って実験を進展させます。
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Research Products
(6 results)