2014 Fiscal Year Research-status Report
三次元培養システムによる歯根膜由来幹細胞とMTA界面の歯根膜再生に関する動態解析
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25462972
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
北島 佳代子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (00177841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 勝 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (90168104)
新井 恭子 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (10434143)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯根膜 / 再生 / 幹細胞 / MTA / 三次元培養 / FCM / 幹細胞マーカー / 動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯髄歯周組織修復剤として開発された Mineral trioxide aggregate(MTA)には、セメント質誘導能があり、歯根穿孔の封鎖に有効であるとされ、ダメージを受けた歯根膜やセメント質の修復に期待が持たれる。このMTAと歯根膜由来のfibrobrastならびに幹細胞様細胞との接触面における細胞動態と組織構築動態を観察し、歯根膜再生の可能性を検討することが本研究の目的である。 ブタ歯根完成永久歯の歯根中央1/3の歯根膜から歯根膜細胞を回収し、初代培養を行い、細胞の派生を観察する。派生した細胞を継代培養しながら、幹細胞様細胞のコロニーパターンであるHoloclone形態を示す細胞群とfibrobrastを回収し、細胞数の確保に努めた。 CD31は、胚および成体血管内皮細胞で発現する130kDaの膜内在性糖タンパク質であり、血管新生時に血管内皮細胞間の相互作用における重要な役割を担っている。また、ALDEFULORは新しく開発された幹細胞/前駆細胞の同定試薬である。回収した細胞をこれらでラベリングしておき、フローサイトメーター(FCM)に通すことによって、ラベリングした細胞を分取することができ、目的細胞を高頻度で回収することが期待できる。CD31+/ALDEFULOR+とCD31-/ALDEFULOR+の各細胞群とMTAとの接触面の状態を詳しく分析し、また三次元培養することにより組織構築状態の詳細を検討する予定である。 しかし、FMCを用いるためには、ある程度の細胞数を確保する必要があるが、幹細胞様細胞は予想した通り、細胞数が極端に少なく、回収に時間を要している。 現在、細胞生育環境に適する培液等の情報収集と検討を行い、各々の細胞群の生育状態をモニタリングしており、MTAを供培養することにより、細胞毒性の有無も検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本実験に用いる歯根膜由来の幹細胞様細胞の派生に時間を有し、FCM解析に必要な細胞数の確保に時間がかかっている。抜去歯から回収した組織から初代培養で派生してくる細胞数が少なく、派生しても生育しないものも多い。また抜去歯により派生してくる細胞数に違いがあるなど、基本的な問題が生じている。培養液自体の適正を考慮し、培養時の経時的モニタリングを行うなど対応に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
幹細胞様細胞の確保が十分に得られたところで、直ちにFCM解析に着手する予定である。個体の再考、培養液や生育環境の見直し、場合によっては、新製品の使用の可能性も考慮する。幹細胞マーカーについても検討を重ねており、新たなマーカーの使用についても視野に入れている。 状況によっては、幹細胞に対する実験ソースの変更も考慮する予定である。
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Causes of Carryover |
細胞の派生状況が予備実験時ほど順調ではなかった。その原因について検討しているが、詳細は不明である。 FCMに必要な細胞数の確保に時間を要し、実験に遅れが生じたため、次年度使用額が生じることとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験ソースの変更も視野に入れ、細胞を確保した後、その細胞に適したマーカー、三次元培養、資料作成のために使用する予定である。
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