2013 Fiscal Year Research-status Report
新規疎水性シランカップリング剤の合成によるコンポジットレジンの開発と接着性効果
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25462973
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
二瓶 智太郎 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50237781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯 篤史 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60379758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シランカップリング剤 / コンポジットレジン / 接着性 / 耐水性 / 耐久性 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき,新規疎水性シランカップリング剤を種々合成,開発した.また,合成したシランカップリング剤の処理効果をガラス面に対するコンポジットレジンの接着強さから検討した.その結果, 1.合成した新規疎水性シランカップリング剤は,1H-NMR,FT-IR,Massにより目的物であるフルオロアルキル基もしくはベンゼン環を含有するシランカップリング剤であることを確認した.また,ベンゼン環を挟みフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤の合成に成功した. 2.上記に合成した新規疎水性シランカップリング剤を用いて,市販並板ガラスに処理を施し,コンポジットレジンの初期接着強さを水中保管およびサーマルストレス後に計測した結果,一般的なシランカップリング剤である3-MPSと比較して,新規フルオロベンゼンのシランカップリング剤は有意に高い値であった(p<0.05).また,ガラス面処理後に加熱してからコンポジットレジンを接着した試料も同様な結果であったことから,カップリング層とレジンマトリックスとの相溶性が増し,フィラーとベースレジンの親和性が高められ,さらにカップリング層の疎水性が向上したことが示唆された. 以上より,ベンゼン環を挟みフルオロアルキル基を有するシランカップリング剤は,特に加熱処理を施すと3-MPSと比較して有意に高い接着強さが得られ,しかもカップリング層の耐加水分解が向上し,耐水耐久性が良好であったと考えられた. この結果から研究実施計画に基づき,試作コンポジットレジンを製作中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的の達成度については,新規シランカップリング剤を合成し,分析により疎水性基を有する目的物であることを確認し,接着試験の結果から耐水性の効果も認めたため,おおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の結果より,合成した新規シランカップリング剤によるフィラー処理を行い,試作コンポジットレジンを製作し,物性試験により,シランカップリング層の耐水性を評価する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定の薬品の代金が本年度分では足りなくなったため、次年度に繰り越す形にした為。 1年目の研究は計画通り進んでおり、2年目で薬品を購入し、2年目の計画通りに進める予定。
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Research Products
(4 results)