2014 Fiscal Year Research-status Report
根未完成歯の根尖病巣治療のための成長因子担持-徐放性足場材料の創製
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25462977
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
至田 宗泰 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (10187354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 典也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20228430)
馬場 俊輔 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40275227)
岡田 正弘 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70416220)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | タンパク担持 / 徐放性足場材料 / 低結晶性アパタイト / マイクロ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を必要時に徐放して血管新生を促すカルシウム系製剤を開発し、根未完成歯や歯周疾患に対する新しい治療法を創製することである。 平成26年度においては、優れたタンパク質担持-徐放性を示す多孔質担体を製作するために、まず、担体の原料となるアパタイトナノ粒子の組成制御を試みた。この際、前年度の検討から良好なタンパク質担持-徐放性を示した球状ナノ粒子が得られる条件を基準として、マグネシウムおよびストロンチウムを加えることで組成を制御した。その結果、各イオンの含有量が生体骨の組成と同程度である場合にアパタイト結晶構造が確認でき、含有量が高い場合には非晶質でかつ粒子径の小さいものが得られることが明らかとなった。また、作製した各ナノ粒子を用いて多孔質担体を製作することができ、各イオン含有量の増加にともなって孔径が変化することを見出した。ここで、作製の粒子径および微細構造は走査型電子顕微鏡によって評価し、X線回折法によってその結晶構造を同定した。 次に、各条件で製作した多孔質担体の徐放性についての知見を得るために、37℃のリン酸緩衝液中における分解・溶解挙動について評価を行った。その結果、各イオン濃度の増加にともなって多孔質担体の分解および各イオンの溶解速度が増加することが明らかとなった。タンパク質の放出挙動は多孔質担体の分解・溶解挙動と相関があるため、本知見を生かして最適な徐放性を有する多孔質担体の設計が可能となる。 以上のように、平成26年度の検討によって、タンパク質担持-徐放性を示す多孔質担体を設計するための基礎的知見を得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度においては、タンパク質担持-徐放性を示す多孔質担体を設計するための基礎的知見を得ることを目的とした。「研究実績の概要」に記載したように、当初の目的通りに目的を達成したため、「(2)おおむね順調」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
各条件で製作したアパタイトナノ粒子からなる多孔質担体に血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を担持させ、多孔質担体の分解・溶解に伴うタンパク質の放出挙動を評価する。
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Causes of Carryover |
次年度において必要となるin vitro試験を遂行するため、物品の購入を控えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の研究費は、材料合成およびin vitro試験に係る消耗品費を中心とする。
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