2014 Fiscal Year Research-status Report
無歯顎補綴における Health Technology Assessment
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25462986
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
金澤 学 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80431922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 佑介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10451957)
駒ヶ嶺 友梨子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50613692)
岩城 麻衣子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (70544500)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インプラントオーバーデンチャー / 無歯顎補綴 / 全部床義歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、従来の根拠に基づく医療(Evidence Based Medicine; EBM)に代わり、価値に基づく医療(Value-based Medicine; VBM)が重要視されつつある。このVBMの中で重要なものが医療技術評価(Health Technology Assessment; HTA)である。本研究では、下顎無歯顎補綴に焦点を当ててHTAスキームを確立することを目的とし、研究を開始した。 下顎無歯顎患者に対する治療方法として、従来の全部床義歯補綴と比較して、インプラントを用いた可撤性義歯補綴(インプラントオーバーデンチャー【IOD】)が患者満足度や咀嚼能力を向上させるという報告が多くなされている。インプラント埋入手術当日からIODを使用する「即時荷重」と、埋入手術から約3カ月(インプラントと顎骨が結合すると考えられる期間)経過後からIODを使用する「通常荷重」があるが、これらを患者主観評価で比較した研究は数少ない。これらを明らかにするために本研究では、下顎前歯部にインプラントを2本埋入する2-IODを採用し、インプラントと義歯の結合様式に磁石(磁性アタッチメント)を用い、評価を行った。下顎無歯顎患者18名を2群にランダム割付し、患者報告アウトカム(Patient Reported Outcome; PRO)、客観的機能評価、費用効用分析を用い、医療評価を行った。 インプラントを埋入して1年後の評価より、即時荷重の方が術後の痛みが少ない傾向にある事、義歯に対する主観的評価が高い傾向にある事が分かった。客観的評価としては、IODにすることで咀嚼能力が向上することが認められた。 従来の客観的治療評価のみならず、患者主観評価を取り入れることで、患者が満足を得られる医療を提供する指標になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IOD治療を希望し、かつ研究への協力を同意したすべての下顎無歯顎患者に対し、研究計画に沿ってインプラントの埋入、および義歯作製を行った。現在も義歯のメインテナンスは継続して行っている。 ランダム割付した2群に対し、PRO、客観的機能評価、費用効用分析のために必要なデータを得ることができた。インプラント埋入1年後を一つの区切りとし、解析および学会発表を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も定期的に義歯のメインテナンスを行いつつ、データ採取を継続していく。 長期的な評価として、費用効用分析やインプラント周囲骨変位量の評価を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は非常に少なく,誤差の範囲と見なせる.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の旅費とする.
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