2013 Fiscal Year Annual Research Report
化学受容性嘔吐誘発域に着目した口腔乾燥症治療薬の作用機序の解明
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25462997
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
兒玉 直紀 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70534519)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 化学受容性嘔吐誘発域 / 催唾剤 / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
本研究の目的は,延髄最後野ニューロンの催唾剤への神経応答を電気生理学的に検証し,さらに日常の歯科臨床で効果的かつ安全に用いることができる催唾剤について神経生理学的に検証することとした. 実験動物にはSD 系の雄性ラット(7-21日齢程度)を用いた.ハロセン麻酔後に断頭,素早く脳を摘出し1~2℃の蔗糖リンゲル液: (mM) 248Sucrose,5KCl ,1.6MgCl2, 26NaHCO3,2.0CaCl2,10Glucose中に1分間浸漬後,マイクロスライサーを用いて,扁桃体-海馬系を含む厚さ150-200μm の新鮮脳の水平断スライス標本および最後野を含む延髄前額断スライス標本を作製する.スライス標本は室温の人工脳脊髄液ACSF (mM) 124NaCl , 5 KCl ,1.6 MgCl2,26NaHCO3,2.0CaCl2,10Glucose中で95%O2-5%CO2でバブリングしながら1時間インキュベートした後,潅流装置に移した.上記の脳スライス標本を用いて,近赤外光を用いたノマルスキー微分干渉顕微鏡下にて同定した神経細胞からホールセル記録を行い,延髄最後野におけるIh電流を測定し,さらに2種類の催唾剤(セビメリン,ピロカルピン)に対する応答を検証した. その結果,延髄最後野ニューロンはIh電流の有無に関わらず,セビメリンに対しては濃度依存性に興奮性の応答を示しが,ピロカルピンには反応を示さなかった.現在までのところ,記録例が少ないため今後さらに実験を継続する必要があると考える.
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Research Products
(4 results)