2015 Fiscal Year Annual Research Report
何が咬みしめ習癖における疼痛過敏化のトリガーになっているのか?
Project/Area Number |
25463006
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鳥巣 哲朗 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (80264258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 美保子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00304957)
村田 比呂司 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (40229993)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / 低強度かみしめ / eccentric運動 / 疼痛過敏 / 咀嚼筋痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は低強度持続かみしめなどの口腔習癖に関連する顎口腔系の運動と口腔顔面領域における慢性疼痛発現との関連を調査することを目的に計画された。低強度咬みしめや上下歯列接触習癖などの低レベル咀嚼筋活動は一般的に疼痛の過敏化に関与するという報告が多い。しかし本研究で得られた結果では低強度かみしめにより中枢性に疼痛感受性が減少し、実験的な低強度持続的低強度かみしめは、むしろ疼痛の緩和に関与する場合があることが示された(結果を国際誌に発表した)。ただし本結果の疼痛評価は電気刺激による時間的加重効果を評価したものであり、解釈に注意を要する。単純な単発刺激による疼痛誘発ではかみしめによる効果が見られなかったことから、末梢と中枢に対する効果の違いを今後の課題として検討する必要がある。このようなかみしめ効果の二面性(疼痛悪化/疼痛緩和)がみられた原因としてeccentric運動の関与に注目し、eccentric運動負荷装置を用いて同運動負荷後の疼痛感受性変化を検討した。事前運動の運動負荷条件として最大咬合力の20%で1分×2セットのeccentric運動負荷を2名の被験者で実施した。3日後のかみしめ負荷後に電気刺激による時間的加重を用いて疼痛感受性を評価したが疼痛感受性の変化は無かった。そこで事前のeccentric運動負荷条件を2分×3セットで再度実施したところ、4日後のかみしめ負荷後の時間的加重による疼痛感受性が著しく増加した。このことは事前のeccentric運動負荷条件の違いがその後の運動による疼痛誘発パターンに影響を与える可能性を示したものと考える。今後はデータ数を増やし、本研究事業で得られたデータを有効に活用して、慢性疼痛で苦悩する患者群の治療方法開発に向けて更なる検討を続ける所存である。
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Research Products
(3 results)