2015 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨骨髄由来間質細胞を用いた歯槽骨再生のための骨分化能診断法の開発
Project/Area Number |
25463007
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末廣 史雄 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (40524781)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
江越 貴文 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70706150) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 歯槽骨再生 / 顎骨骨髄由来間質細胞 / 転写因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
様々な理由で歯を喪失した患者の顎堤は著しく吸収していることが多く、予知性の高い補綴治療を行うには補綴主導の顎骨再生が理想である。近年、iPS細胞やES 細胞を用いた再生医療が注目を集めている一方で、間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell: MSC)/骨髄由来間質細胞(Bone Marrow Stromal Cells:BMSC)は臨床応用において最も安全性が高い細胞ソースとされており、自己の骨髄由来BMSC を移植して組織再生を図る研究が数多く報告されている。しかし、骨髄中にはヘテロな細胞集団が存在しており、それらの細胞の骨分化能の診断、つまりは細胞の質の保証を行わなければ確実な再生医療は提供出来ない。本研究では、顎骨骨髄由来BMSCの骨分化に関連する転写因子を高骨分化マーカーとして用いる骨形成能診断法を開発し、確実な歯槽骨再生医療を行う事を目的とした。 以前の研究にてMSCの骨分化初期に特異的に発現が亢進する転写因子の選定を行ったが、新たな選定方法で他の転写因子も高骨分化マーカーの候補として選定した。選定した転写因子に対するSmall Interfering RNA(siRNA)をMSCに導入し、各転写因子の発現抑制が細胞に与える影響を以下の項目に関して検討した。(1)細胞増殖への影響、(2)アルカリフォスファターゼ(ALP)mRNA発現レベルの変化、(3)ALP酵素活性の定量、(4)視覚的な石灰化度の確認、(5)細胞層中のカルシウム量の定量の検討を行った。上記の実験から、MSCの骨分化に促進的に作用している転写因子とMSCの骨分化に抑制的に作用している転写因子が存在することが確認できた。 また、今回選定した転写因子には生体内での骨形成に作用するとの報告が既にあるものも含まれており、選定した転写因子が骨分化マーカーと成り得る信頼性も高いことが推察される。
|
Research Products
(4 results)