2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463008
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
渡邊 悦子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (00325664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 郁哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00274671)
黒嶋 伸一郎 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (40443915)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は市販の100%バイオガラスをY-TZPに1400℃で焼結固着させることが可能であることが分かったが、積層膜が不均一であったため、本年度はその固着焼結層の厚さを均一にするためにゾルゲル法によりバイオガラスをY-TZPへ積層し、焼結固着する方法を模索した。また、同時にアルミノシリケートガラスを有するグラスアイオノマーセメント(GI)にバイオガラスを様々な配合率で配合させ、硬化させることでY-TZPにコーティングできるのではと考え、そのコーティング層の強度や細胞親和性につての研究も行った。ゾルゲル法ではゾルの段階からY-TZPを浸漬し、徐々にY-TZPを引き上げることで均一層のゾルをY-TZP上に形成させ、ゲル化した後に700℃の電気炉で焼結固着させることで均一のバイオガラス層が形成できることが確認できた。グラスアイオノマーセメントにバイオガラスを0%, 3%, 5%, 10%, 15% 20%添加し、硬化させた試験片の物性(3点曲げ強度)を測定した結果、試験片作成直後の物性は3%添加したグループが高い値を示した。しかし、28日後に測定した物性はすべてのグループにおいて大変低い値を示した。硬さは添加量が増加するにしたがい、低くなっていった。28日後の硬度は3%添加したグループ以外で低い値を示した。細胞生存率はバイオガラスの添加量が増加するにつれて増加した。電子顕微鏡による細胞接着の観察ではバイオガラスの添加量が増加するにしたがい、接着性がよくなるということが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
市販のバイオガラスではなく、ゾルゲル法でバイオガラスを作製する過程でY-TZPに積層することで均一なコーティングをすることができるということを見出した。また、アルミノシリケートを含有する歯科用グラスアイオノマーセメントへのバイオガラスの添加により細胞親和性が増加することが分かったので、研究はおおむね順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
今後はゾルゲル法で積層焼結固着した均一なバイオガラスの生態親和性(細胞生存率や細胞付着性)について検討していく。
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Causes of Carryover |
当初購入予定の備品購入に必要な予算が下りなかったので、主に実験の消耗品を購入したため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現有の備品を使用して、必要な備品を追加しながら、実験に必要な材料や試薬などの消耗品に使用する
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