2015 Fiscal Year Annual Research Report
ガレクチン-1を介した新規ストレス応答反応の解明と抗ストレス治療への臨床展開
Project/Area Number |
25463010
|
Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
門屋 利彦 前橋工科大学, 工学部, 教授 (40551875)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹栗 健一 自治医科大学, 医学部, 講師 (10235286)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ガレクチン-1 / 拘束ストレス / 胸腺 / 脾臓 / 膵臓 / リンパ球 / CD45 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス負荷モデルラットでストレス負荷後の血中ガレクチン-1の濃度が上昇し、脾臓と胸腺でガレクチン-1含量の有意な増加が認められた。また、免疫組織化学解析で脾臓では細動脈周囲リンパ組織鞘の、胸腺では髄質のCD45+リンパ球のガレクチン-1特異染色がストレス負荷によって増強していることが示された。RT-PCR分析の結果、ガレクチン-1mRNA量に有意な変動が認められなかったことから、脾臓、胸腺で増加したガレクチン-1タンパク質は、ストレス負荷によって臓器中での生合成がアップレギュレートされたものではなく、血液を介して運ばれてきたものであることが強く示唆された。そこで、脾臓と胸腺でのガレクチン-1の作用について調べるため、ヒトリンパ球系細胞株としてTHP-1、U937、HL-60を用いてこれらの細胞へのガレクチン-1の結合について検討を行った。ウエスタンブロッティングの結果、THP-1にCD45の強い発現が認められた。更に、ガレクチン-1がリンパ球系細胞に特異的結合を示すかを検討するために、蛍光標識ガレクチン-1の細胞への結合を共焦点レーザー走査型顕微鏡により観察した結果、THP-1に対するガレクチン-1の特異的結合が確認された。引き続き、培養細胞系を用いたストレス条件下でのガレクチン-1のTリンパ球系細胞への作用について検討を進めているところである。 ストレス負荷後の臓器中ガレクチン-1含量分析の結果、膵臓においてもガレクチン-1タンパク質含量の増加が観察された。そこで、免疫組織化学解析によって膵臓でのガレクチン-1の組織分布を調べた結果、小葉間毛細血管の平滑筋細胞と繊維芽細胞が強く染色され、コントロール群に比べてストレス負荷群でより増強された。
|