2015 Fiscal Year Research-status Report
無意識下クレンチング常習者の脳構造変化とその活動特性
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25463027
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
川良 美佐雄 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (20147713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 崇 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50453882)
小見山 道 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (60339223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | クレンチング / 神経可塑性変化 / 経頭蓋磁気刺激法 |
Outline of Annual Research Achievements |
クレンチングとは無意識下で行われる非機能的な顎運動の一つであり,顎関節症,咬合性外傷歯根破折の一因と考えられている。しかしながら,クレンチングを無意識下で生じる発現機序は未だに解明されておらず,臨床現場では対処療法のみとなっている。本研究の目的は,貼付型簡易筋電計等を用いて,不良習癖としてクレンチングを行う者,行わない者の2 群に分類し,経頭蓋磁気刺激法(TMS),機能的核磁気共鳴装置(fMRI)を用いて脳内活動,脳の構造の比較を行う。更にその結果を応用し経頭蓋直流刺激(tDCS)にてクレンチング行為を抑制させる原因療法の開発を試みることである。 平成26 年度に申請書が予定していた実験と類似した報告が論文に掲載されたため,研究計画を一部変更した。また,本実験に参加する被験者に対して用いる貼付型簡易筋電計の使用において機械の問題点が生じていることから日中にクレンチングを習慣としない正常者と日中にクレンチングを習慣としている者への2群間への振り分け方法の基準に変更を加えた。平成27年度はfMRIを用いた測定中に被験者が行う運動課題の運動強度の定量化を図ることを目的として作製する非金属の装置の改良を行い実験のセッティングを調整している測定を進めている段階である。また,クレンチングが中枢に及ぼす特異的な影響の検討としてTMSを用いて舌運動と顎運動の両運動を行った場合と単独で行った場合の舌運動および下顎運動に関与する運動野に生じる可塑性変化の違いについて検討を行った。結果として,継続した舌運動および下顎運動はそれぞれの運動を司る運動野のみでなく,解剖学的に近接した運動野においても可塑性変化が短期間に生じることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は平成27年度内に終了する予定であったが,一部の実験においてデータ解析に時間を要しており,実験結果を確認している段階である。また,データ解析終了後に実験データの再精査を行い並行して進めている論文作成を終了し論文投稿を予定している。以上の遅延が生じたことによって平成28年度までの期間延長を申請した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在データ解析が終了していない実験のデータ解析を優先して行う。また,データ解析の結果,追試が必要と判断された場合は実験デザインの一部変更または被験者数の増加によって追試を行う予定である。現在並行して論文作成を進めておりデータ解析が終了した段階で早期に論文投稿を行う予定である。
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Causes of Carryover |
実験のデータ解析に想定以上の時間を要しており、予定をしていた実験の1つが遂行されていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定をしている実験の消耗品の購入および現在までの研究成果の発表に使用する予定である。
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Research Products
(5 results)