2015 Fiscal Year Annual Research Report
顎筋・頸筋活動ならびに下顎・頭部運動の協調性にもとづく部分欠損補綴治療の臨床評価
Project/Area Number |
25463028
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
石井 智浩 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (50246922)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 紀之 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (10155997)
神谷 和伸 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (30267108)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 咀嚼 / 顎運動 / 顎筋活動 / 頸筋活動 / 頭部運動 / 周波数解析 / 伝達関数 / コヒーレンス関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
伝達関数・コヒーレンス関数を用いて、咀嚼中の顎・頸筋活動と下顎運動との協調については、顎筋における両側性の協調ならびに頸筋における咀嚼側優位な協調を明らかとした。すなわち、1)閉口筋活動は同期し、開口筋活動は閉口筋活動とは逆位相を示す。2)顎筋間ではよく協調した活動を示す。3)咀嚼側頸筋活動と閉口筋活動とは同期し、咀嚼側頸筋活動は閉口筋活動と協調した活動を示す。4)非咀嚼側頸筋活動の位相は開口相から閉口相にわたる広い分布を示す。6)非咀嚼側頸筋活動のコヒーレンスは広い分布を示し、非咀嚼側頸筋活動の位相とコヒーレンスとに負の相関が示された。これらの内容の一部は、2014年のIADRで発表し、Physiology & Behavior 160 (2016) 35-42に掲載した。また、7)顎筋ならびに咀嚼側頸筋活動と下顎運動とは協調している。8)非咀嚼側頸筋活動と下顎運動との協調は顎筋ならびに咀嚼側頸筋に比較して低い協調性を示す。9)非咀嚼側の頸筋活動と顎運動のCoherenceは顎運動の側方成分量と負の相関を示す。これらの内容の一部は、2015年の第28回日本顎関節学会総会・学術大会(顎運動と顎頸筋活動との協調性を定量する.平成27年7月4,5日、名古屋)と第15回日本大学口腔科学会(リズム性顎頸筋活動の関数解析.平成27年9月6日、千葉)にて発表し、現在、投稿の準備中である。 さらに、顎筋・頸筋活動ならびに下顎運動・頭部運動の協調については、‘頭部の上下運動リズムは顎の開閉口運動リズムと対応し、さらに ‘頭部の上下運動と開閉口運動がリズム性に対応している’という研究結果を得ている。現在、欠損補綴患者さらには顎機能障害患者における顎筋・頸筋活動ならびに下顎運動・頭部運動の協調について検討している。今後、下顎運動・頭部運動の協調ならびに顎筋・頸筋活動の協調からみた補綴臨床評価とそのパラメータの設定が可能と考えている。
|
Research Products
(3 results)