2014 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時無呼吸症候群における気道陰圧負荷時の気道形態変化から病態および治療法を探る
Project/Area Number |
25463039
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
石川 千恵子 鶴見大学, 歯学部, 臨床教授 (70176163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
安藤 栄里子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (30410046)
重田 優子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40367298)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 睡眠時無呼吸症候群 / 3次元再構築画像 / 気道形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、睡眠時無呼吸症候群(OSA)患者の気道陰圧負荷時の気道形態を観察することにより、非肥満型OSA発現のメカニズムを解明し、その治療法に役立てることである。 これまでの、われわれの研究では、肥満型OSA患者では気道後側壁が肥厚して気道を圧迫している様子が観察されており、気道の脆弱部が後側壁にあることが示唆された。その部位は脂肪の増加以外の因子にも反応する可能性があるため、陰圧条件下での気道形態を観察することとした。 平成25年度は、人工呼吸用マスクと注射筒を用いて呼吸器と外界を遮断し、吸気時のシリンジ内圧を、デジタル圧力センサを用いて計測することにより、呼吸器内の陰圧状態をモニタリングする装置および方法を確立した。 平成26年度は、健常ボランティアを被験者として、陰圧条件65%(最大吸気時を100%陰圧とした時)、撮影時間15秒とし、CT撮影を行った。CTの三次元再構築画像から、陰圧負荷の有無による気道形態の比較を試みた。その結果、陰圧負荷時の画像は、不安定であり、分析が困難な部分も認められた。しかし、陰圧負荷による明らかな気道狭窄を確認することができ、その部位は、前述の気道後側壁であった。 今後は、定量的な検討を可能とするため、CTの撮像条件や画像の解析法を検討する予定である。また、この基礎データをもとに内科医師との連携のもと呼吸器・循環器系疾患の合併症のない非肥満型OSA患者のCT撮影を行い、健常者との比較検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度は、気道の陰圧負荷・計測環境が確立できたため、健常ボランティアを被験者として、陰圧条件65%(最大吸気時を100%陰圧とした時)、撮影時間15秒とし、CT撮影を行った。CTの三次元再構築画像から、陰圧負荷の有無による気道形態の比較を試みたが、画像の不安定さから、定量的な検討までは至っていない。しかしながら、陰圧下における気道狭窄の検出、および、部位の特定が可能となった。今後は、CTの撮像条件や解析方法を検討していき、定量的な評価できる条件を模索していく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、定量的な検討を可能とするため、CTの撮像条件や画像の解析法を検討する予定である。また、内科医師との連携のもと呼吸器・循環器系疾患の合併症のない非肥満型OSA患者のCT撮影を行い、健常者との比較検討を行う予定である。そして得られたデータから『気道の脆弱部が後側壁にある』という仮説について、さらなる検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当初の計画より早期に、気道の陰圧負荷・計測環境が確立できたため、26年度は、健常ボランティアにおける検討も早い段階で開始することができた。しかし、CTからの三次元再構築画像から、陰圧負荷の有無による気道形態の比較を検討する段階で、画像の不安定さから、定量的な検討に至っていない。そのため、計画を進めていく上で、遂行できていない項目があることから、予定より備品購入の時期が遅れてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、研究を推し進めて、購入時期が遅れている品目、解析用ソフトなどの消耗品の購入、情報収集や成果発表のための学会参加への費用にあてる。
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