2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463043
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
長谷川 陽子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (60432457)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 咀嚼 / 味 / 香り / ストレス / 脳 / 高次機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題は,咀嚼される食品の味・香りによる生体ストレス反応に着目し,咀嚼によって生じる生理学的変化(脳,体循環,自律神経活動)を計測・解析することにより,「生体にとって良い咀嚼とは何か?」を明らかにすることが目的の研究である.H26年度は,咀嚼食品の味・香りによって生じる神経系・内分泌系自律神経調節の解明と,咀嚼食品の味・香りへの情動変化が,咀嚼時の生理学的変化に与える影響についての研究を行った. まず,味および香りを様々に組み合わせた食品を咀嚼した時に分泌される唾液に含まれるコルチゾールを定量し,その量を食品間で比較することによって,ストレス緩和に効果的な味および香りについて検討を行った.その結果,もっともおいしいガム咀嚼時にコルチゾールが多く分泌され,ストレス緩和効果が高いことがわかった.また,美味しくないガムに対してもコルチゾールは分泌するが,おいしいガムの方が多くのコルチゾールを分泌することが示された. 次に,取時に「美味しい」と感じる味成分および香料を含んだガムと,対照的に「おいしくない」と感じる味成分および香料のガムとを咀嚼した時の高次機能に与える影響について,暗算テストを用いて評価し,食事の美味しさの変化が短期的高次機能に変化をもたらすか否かについて検討を行った.その結果,ガムに含まれるクエン酸の有無が高次機能に影響を与える可能性が示唆され,嗜好の違いによる高次機能への影響は明らかにはできなかった. H26年度までの研究結果をふまえ,H27年度は咀嚼食品の味・香りへの情動変化が脳,特に高次機能に与える影響を明らかにするためにNIRSによる脳機能マッピングを予定している.これまでの研究成果は英語論文として執筆し,現在投稿中が2本,脱稿済みのものが1本あり,H27年度に3本の論文採択と,採択後の学会発表を目指している
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に沿って実験を進めており,次年度行う予定の研究の遂行により採択課題の結果を呈示することが可能と考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,脳機能マッピングによる咀嚼と脳との評価を行う予定であり,咀嚼時の脳機能の変化に対する嗜好の影響を明らかにしたいと考えている.
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Research Products
(5 results)