2015 Fiscal Year Annual Research Report
オッセオインテグレーション獲得後におけるBP製剤が及ぼす影響に関する先駆的研究
Project/Area Number |
25463049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 誠大 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (20452451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥野 幾久 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 招聘教員 (30362677)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ビスフォスフォネート / オッセオインテグレーション / インプラント周囲炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、インプラント体埋入後に既存骨にオッセオインテグレーションを獲得した状態に対するビスフォスフォーネート製剤がオッセオインテグレーションに与える影響を目的として、ラットを利用して検討を行った。具体的にはラット大腿骨に実験用インプラント体(φ2mm、長径2mm)を埋入後、これまでに我々が確認しているオッセオインテグレーション獲得期間である12週後よりBP製剤であるゾレドロネートを腹腔内投与し、骨代謝マーカーであるBAP、NTXの計測による骨動態の変化や除去トルク計測によるオッセオインテグレーションの評価を行った。またオッセオインテグレーションを獲得したインプラント周囲に人工的にバイオフィルムを塗布し、インプラント周囲炎との関連も検討した。現在までにオッセオインテグレーション後、4週間の投与においては、コントロール群と比較し、有意な組織学的変化、骨動態変化ならびに除去トルク値を認めなかった。加えて中長期的な影響を検討する目的で8週間および12週間投与を行って検討を行った結果、短期投与同様、各種比較において有意な差は認められなかった。加えてバイオフィルムを付着した際においても有意な差は認めず、オッセオインテグレーションの喪失あるいはMRONJ様所見は示さなかった。本研究は動物実験であるため結論を述べることはできないが、実際の臨床においては、BP製剤がオッセオインテグレーションに与える影響について懸念されているものの、BP製剤のみでは問題となる影響を及ぼさない可能性が考えられる。BP製剤が投与された上で、喫煙、歯周病菌等の現在、インプラント周囲炎のリスクインディケーターと考えられている因子や咬合圧など複数の因子が影響し、インプラント周囲炎やインテグレーションの喪失が生じることが想定される。
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