Outline of Annual Research Achievements |
顎骨再建においてチタンや吸収性メッシュが使用されているが, 骨誘導作用はない. 本研究では積極的に欠損部に骨形成を促すために, 骨誘導因子徐放型吸収性メッシュプレートの開発を最終目標とし, 予備研究として骨誘導因子徐放型吸収性材料を新規開発した. 【材料・方法】基材に PLGA を用い, solvent-casting and particulate leaching 法により作製した. 骨誘導因子として, osteogenic supplements [OS; デキサメタゾン(Dex), アスコルビン酸(AsAc), ベータグリセロリン酸(bGP)] をPLGAに封入した(OS/PLGA). OS/PLGA を8 x 8 mmに小片化し, PBS中に浸漬した. 24h後, 48h後, 72h後, 96h後, 120h後, および144 h後にPBS中からOS/PLGA を取り出し, PBS中に溶出したDex, AsAc, bGPを液体クロマトグラフィーで定量した. 【結果】Dexの溶出量 (ng/mL) は, 24h後; 405, 48h後; 332, 72h後; 247, 96h後; 271, 120h後; 257, および144h後; 176であった. AsAcの溶出量 (μg/mL) は, 24h後; 155, 48h後; 103, 72h後; 69, 96h後; 89, 120h後; 71, および144h後; 47であった. bGPの溶出量(μg/mL)は24h後; 718, 48h後; 416, 72h後; 182, 96h後; 232, 120h後; 170, および144h後; 164であった. 【結論】144 h後まで骨髄系未分化細胞が骨芽細胞に分化するために必要な骨誘導因子を徐放することが確認された. 本研究により, OS/PLGA が顎骨再建に応用できる可能性が示唆された.
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