2013 Fiscal Year Research-status Report
バイオカップリング剤によるチタンインプラント表面の骨誘導能の検討
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25463057
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
大橋 桂 神奈川歯科大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30350531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオカップリング剤 / チタンインプラント / 再生医療 / シランカップリング剤 |
Research Abstract |
現在,歯の喪失後のデンタルインプラント治療による咬合機能の回復が一般に広く普及している。最近になり,チタンインプラント表面のエイジングによりオッセオインテグレーションの獲得が十分に得られないことが証明されるとともに,チタンインプラント表面の新たな処理法として,紫外線照射による光機能化技術が世界的に広まりつつある。しかし,光機能化するためには専用の機器を用意する必要があること,ならびに紫外線照射時に生じる毒性の高いオゾンの発生が問題点である。我々の研究室では,骨再生療法のために新規に開発・合成したバイオカップリング剤を用いて,骨再生の足場となるスキャホールド表面の細胞接着性を向上させ,骨の形成作用を促す技術を開発してきた。本研究ではこの技術を応用し,インプラント表面に適応することを目的とし,インプラント表面をバイオカップリング剤で改質処理することによりインプラント表面の骨芽細胞親和性を高め,オッセオインテグレーションを確実に獲得しようとするものである。 本年度は,チタン表面へのバイオカップリング処理層の処理効果とバイオカップリング剤の細胞毒性試験の実施を予定していた。すでに開発に成功している数種類のバイオカップリング剤を合成したが,純度が低く,再度合成を繰り返した。合成に成功したバイオカップリング剤を用いてチタン表面への処理効果を検討・評価したところ,水に対する接触角は低下し,親水性の表面に改質できたが,耐久性は得られなかった。そこで,様々な処理法を検討したが,長期にわたる耐久性は得られないが,処理直後の効果が期待できることが明らかとなり,チタン表面へのバイオカップリング剤の処理が期待できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究において,新規材料であるバイオカップリング剤を使用しているため,合成に時間を要し,大量生産が困難な状況である。そのため,当初予定よりも合成に手間取り,予定通りに実験を遂行できない状況であった。今年度は,バイオカップリング剤のチタン表面への処理効果と細胞毒性試験を予定していたが,処理効果の検討・評価までしか実施できなかった。細胞毒性試験は次年度に実施を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度実施を予定し,実施できなかった細胞毒性試験は次年度に実施を行うよう研究をすすめる。また,本研究の要である,バイオカップリング剤の合成は,研究支援者である東京理科大学にさらなる協力を依頼し,バイオカップリング剤の安定供給を確保する予定である。これにより,次年度以降の研究計画は予定通り実施できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初購入を計画していた実体顕微鏡が,当施設の他の研究者が同等品を購入したため購入を控えたことにより使用額の変更が生じた。本研究の遂行に何ら支障をきたしていない。 購入使用予定であった実体顕微鏡は同等品を使用可能であるため研究計画に変更は生じない。次年度助成金の使用計画は,バイオカップリング剤を用いた研究を円滑に行うため,合成に必要な原材料を次年度は当初予定よりも増やし購入する予定である。また,研究成果の発表を広く行う予定である。
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Research Products
(7 results)