2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔がん多段階発がん過程におけるスフィンゴシン-1-リン酸シグナル調節機構の解明
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25463069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安部 貴大 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20383250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 雅修 東京大学, 学内共同利用施設等, 講師 (10392333)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔がん / スフィンゴ脂質 / 軸索ガイダンス因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
Erdemらは3種類の口腔扁平上皮癌由来の細胞株(下歯肉、軟口蓋、舌)と正常鼻腔粘膜上皮細胞株との比較において、MMP(1,2,3,9)やカテプシン(B,L)などの発現が癌細胞で増強していることを免疫染色やフローサイトメトリーで示し、口腔癌細胞のマトリックスバリアー克服にMMP高発現が重要であることを指摘している (Erdem FN, et al. J Oral Maxillofac Surg 2007)。しかし、S1Pがこれらの発現を直接的に調節しているかについての報告はない。よってS1P濃度依存性にこれらの発現が誘導されるかmRNA、タンパク質レベルで発現を検討し、また、各阻害剤を用いた実験によってシグナル特異性に発現が変化するかについて検証する予定で現在遂行中である。ヒト口腔がん由来の細胞株を理化学研究所より入手したが、培養細胞を用いた実験で発現解析を進めている。関連因子についても、現在着目因子について検討を行っている。スフィンゴ脂質が細胞遊走に深く関与している可能から、脊椎動物の発生段階において脊髄の軸策伸展方向を制御する因子として軸索ガイダンス因子との作用に関心を持っている。軸索誘導以外に細胞移動、細胞接着、細胞極性や細胞骨格などの様々な現象を調節していることが明らかとなり、最近では癌との関係も注目されている。肺癌、乳癌、及び腎癌や、肺小細胞癌細胞株であるU2020などでも関連が示唆されており[Xian J, et al. Cancer Res. 2004, 64(18):6432-7.]、これらの検討も進行中である。培養下での発現については、形質が変わっている可能性があることから、実際のヒト検体についても検討を行いたいと考え、学内倫理委員会への申請を行い承認を得た。口腔がん患者の切除サンプルを採取し、現在検体数を蓄積している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床、教育エフォートに時間を要し、十分な研究エフォートが確保できなかった。 臨床検体の収集を行うことを計画し、本学倫理委員会への申請を行った。承認後、口腔がん患者の検体についても蓄積を始めたが、検体数の確保が進まず、解析にはもうしばらく時間がかかることが予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
大学院生を1名確保できたことから、実際に割けられない研究エフォートのサポートが得られることが期待される。 培養細胞での解析と並行して、臨床検体での発現解析を進め、着目因子における口腔がんの多段階発がんのメカニズムについて検討を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
研究エフォートに割けられる時間を確保できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
可及的に研究を進めていく。
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Research Products
(10 results)