2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on sphingosine-1-phosphate signaling pathways in multistage carcinogenesis of the oral cancer
Project/Area Number |
25463069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安部 貴大 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (20383250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 雅修 東京大学, 保健・健康推進本部, 講師 (10392333)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20359623)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
スフィンゴ脂質の代謝産物であるスフィンゴシン-1-リン酸(S1P)が悪性腫瘍、動脈硬化や糖尿病、骨粗鬆 症などの病態進行を調節する重要因子とされる。S1Pは様々な細胞から分泌され、Gタンパク質共役型受容体(S1PR1-S1PR5)を介するシグナル伝達因子としてオートクライン、パラクラインに作用している。口腔がん由来細胞におけるS1Pシグナル伝達機構は未だ不明な点が多いことから、S1Pシグナルに着目するに至った。S1P増殖能、化学遊走能の検討などを行った。受容体はサブタイプの組織特異性や細胞の発現パターンとGタンパク質との親和性の違いによってシグナル伝達経路が異なることが分かっている。このことから口腔がん細胞やその他の臓器由来の細胞を用いてS1PR発現パターンを解析した。S1PR1-S1PR5の発現はreal-time RT-PCRにより、口腔がん由来細胞株にいずれのサブタイプがどのような発現様式をしているかについて検討を重ねた。また、ウエスタンブロット法により、受容体タンパクの発現を試みた。S1P受容体下流のシグナル伝達の解析については既知シグナルであるp43/44 MAPK経路(選択的MEK阻害剤U0126)、PIK 3/Akt 経路(選択的PI3K阻害剤wortmannin)、Ras/ERK 経路(選択的AP-1阻害剤curcumin)、NF-κB経路についてはp65 サブユニットのモノクローナル抗体などを用いて免疫染色を行い、NF-κB阻害剤helenalinによる選択的阻害剤を用いた阻害実験も試みた。S1PR1-5の各受容体の発現様式を検討し、S1Pシグナルにおける初期応答の活性化機序の解析、そして活性化に関与すると思われるシグナル伝達転や転写因子による長期的な活性調節の作用を中心に研究を展開してきたが、今後データ解析を進めまとめていく所存である。
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Research Products
(7 results)