2014 Fiscal Year Research-status Report
歯原性腫瘍におけるカルシウム感受性受容体の解析と新規治療の開発へ向けた研究
Project/Area Number |
25463088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
窪田 泰孝 九州大学, 歯学研究科(研究院), 共同研究員 (60205151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶岡 俊一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90274472)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | カルシウム感受性受容体 / 歯原性腫瘍 / BMP-2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は角化嚢胞性歯原性腫瘍(KCOT)由来線維芽細胞におけるカルシウム感受性受容体(CasR)の役割を解析し、カルシウム刺激による骨代謝に及ぼす影響について検討することを目的としているが、本年度における研究では以下の結果を得た。1)KCOT由来線維芽細胞はカルシウム濃度依存性にPGE2 mRNAと蛋白の発現を増強した。2)KCOT由来線維芽細胞はカルシウム濃度依存性にBMP-2mRNAと蛋白の発現を増強した。3)KCOT由来線維芽細胞のCasR発現をノックダウンさせるとカルシウム刺激による BMP-2 mRNA発現が阻害された。4)KCOT由来線維芽細胞におけるカルシウム刺激による BMP-2 mRNA発現はPLC 阻害剤であるU-73122 、PKC 阻害剤であるstaurosporin で有意に抑制された。5)KCOT由来線維芽細胞をカルシウム刺激するとp38 MAPK、ERK1/2及び JNKがリン酸化され、p38 MAPK、ERK kinase、JNKの各阻害剤SB203580、PD98059、SP600125によってカルシウム刺激によるBMP-2 mRNAの発現が阻害された。6)KCOT由来線維芽細胞をカルシウム刺激すると、p65が細胞質から核内へ移行し、NF-κBの阻害剤PDTCによってカルシウム刺激によるBMP-2 mRNAの発現が阻害された。 以上の結果より、KCOT由来線維芽細胞をカルシウム刺激するとp38 MAPK、ERK1/2、JNK及びNF-κBの活性化によりBMP-2mRNAと蛋白の発現が増強されると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞におけるカルシウム感受性受容体(CasR)を介したBMP-2発現のメカニズムを十分に解析することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では脂肪由来未分化間葉系細胞はBMP-2刺激によって骨芽細胞へ分化し、骨形成することを明らかにしている。しかしながら、BMP-2は非常に高価で、臨床応用は今のところ困難である。よって、今後は角化嚢胞性歯原性腫瘍をカルシウム刺激することで分泌されるBMP-2を介して脂肪由来未分化間葉系細胞が骨芽細胞へ分化できるかどうかを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
実験で試薬などでストック品を使用することができたため物品費が小額ですんだ。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度はストックが消費されたため物品費が予定額よりも多額になると思われる。よって、物品費に充当する予定である。
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Research Products
(2 results)