2015 Fiscal Year Research-status Report
歯原性腫瘍におけるカルシウム感受性受容体の解析と新規治療の開発へ向けた研究
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25463088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
窪田 泰孝 九州大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (60205151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶岡 俊一 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90274472)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯原性腫瘍 / カルシウム感受性受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞に対するCa刺激による骨形成の可能性について検討を行った。その結果、角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞はCa濃度依存性にPGE2 mRNAと蛋白の発現を増強するとともに、BMP-2mRNAと蛋白の発現を増強した。一方、角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞におけるカルシウム感受性受容体(CasR)の発現をノックダウンさせるとCa刺激による BMP-2 mRNA発現が阻害され、PLC 阻害剤であるU-73122 、PKC 阻害剤であるstaurosporin でもCa刺激による BMP-2 mRNA発現は有意に抑制された。角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞のCa刺激では、p38 MAPK、ERK1/2及び JNKがリン酸化され、p38 MAPK、ERK kinase、JNKの各阻害剤SB203580、PD98059、SP600125によってCa²⁺ 刺激によるBMP-2 mRNAの発現が阻害された。角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞をCa刺激すると、p65が細胞質から核内へ移行し、NF-κBの阻害剤PDTCによってCa刺激によるBMP-2 mRNAの発現が阻害されることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
角化嚢胞性歯原性腫瘍由来線維芽細胞のカルシウム感受性受容体に対するCa刺激によるBMP-2遺伝子や蛋白の発現に関する機序がほぼ明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、小動物を用いて生体内にけるCa刺激による骨形成の可能性について検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
研究の進捗がわずかであるが遅延したことと、適切な国際学会での研究成果の発表機会が得られなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究を完結させるとともに、研究成果を適切な学会で発表して論文作成を行う。
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