2014 Fiscal Year Research-status Report
癌幹細胞に着目した口腔癌の新たな治療戦略-SALL4の治療への応用-
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25463093
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
太田 和俊 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20336209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 正徳 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90117127)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SALL4 / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では胚性幹細胞(ES細胞)やiPS細胞の増殖あるいは未分化維持に関与しているSALL4(sal-like 4)遺伝子に着目し、耐性能を有した腫瘍細胞を死滅させることをすることを目的としている。本年は臨床検体を用いて術前放射線化学療法後に外科療法を行った症例の生検時組織におけるSALL4の遺伝子発現とタンパク質発現をリアルタイムRT-PCR法と免疫組織学的に確認しステージ分類やT分類、頚部リンパ節転移、分化度、腫瘍浸潤様式、術後検体における組織学的効果(大星・下里分類)、予後との相関を検討した。その結果、臨床病理学的因子の中ではSALL4 mRNA の発現と腫瘍浸潤様式において有意差が認められ、3型と 4型でSALL4の発現が多く認められた。また、術後検体において組織学的効果判定がGrade0、Grade1、Grade2症例においてSALL4 mRNA発現が高い傾向にはあったが有意差は認められなかった。また、SALL4 mRNA の発現と予後についても検討を行ったが有意な結果は得られなかった。また、siRNAによってOSCC細胞株(SAS細胞株)のSALL4発現を減らすと、Bmi-1の発現が有意に減少することが判明した。これは口腔扁平上皮癌においてSALL4が上流でBmi-1の発現をコントロールしている可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SALL4発現と耐性の確認がうまく確認できず、SALL4発現について免疫染色による発現を定量化できるように検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はScid マウスの皮下に5-FU耐性SAS細胞株を移植してモデルマウスを作成し、アテロコラーゲン包埋SALL4 siRNAを腹腔内に投与することで5-FU耐性能の変化について検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
本年度までの研究内容を発表し、さまざまな意見を聞きながら実験を進める予定であったが、発表する機会が得られず旅費の分を研究費に回したことで計画に変更が生じた。来年度はマウスによるSALL4による抗癌剤耐性能の変化について実験を行う予定である
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究資金の一部として次年度に使用予定である
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