2014 Fiscal Year Research-status Report
ナノバブルと超音波を用いた癌の特異的分子標的治療法の確立と臨床への応用
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25463096
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
岩永 賢二郎 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (20448484)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 / ソノポレーション / バブルリポソーム / ナノバブル |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究で得られた成果を踏まえ,より効率良く,より扁平上皮癌細胞に特異的に作用する方法を確立するためにナノバブルリポソームとHDACiなどの新規抗癌剤を応用し,本法による治療がより有効な方法となるまで進化させていく. 癌細胞に特異的なリガンド(EGFR,TF等)を標的とした癌細胞特異的導入法の確立:これまで,ヒト扁平上皮癌細胞(Ca9-22細胞)に抗EGFR抗体とバブルリポソームを用いて,β-ガラクトシダーゼ遺伝子を添加することによって導入効率がさらに向上することを確認している.マウスハイブリドーマ528細胞から精製した抗EGFR抗体のs-s結合を切断し、マレイミド基導入リポソームに反応させ、抗体修飾リポソームを作製した。EGFRが高発現しているCa9-22細胞に同リポソームを反応させ、抗体修飾リポソームと細胞の結合を蛍光免疫染色で確認したところ、細胞周囲にFITC発現を認め、同リポソームと細胞が抗体を介して結合していることが確認できた。 ナノバブルリポソームに内包する癌抑制遺伝子、抗癌剤の選定と新規抗癌剤の開発:ドキソルビシン内包PEGリポソーム製剤であるドキシルに超音波造影ガスを封入し、新規ナノバブルリポソームを作成した。Ca9-22細胞においてドキソルビシン内包バブルリポソームと超音波の併用による致死活性効果増強を認めた。またヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)の開発を他大学と連携しており、抗体修飾バブルリポソームにHDACiを結合させ、抗腫瘍効果を評価する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナノバブル、マイクロバブルへの抗癌剤や遺伝子の導入が困難であったため、また、ナノバブルに抗体等を修飾する手技が難しく、当初の予定より、やや遅れているが、ドキソルビシンやアムビソームなどのリポソーム製剤を代用することにより、実験を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)の開発を他大学と連携しており、抗体修飾バブルリポソームにHDACiを結合させ、抗腫瘍効果を評価する。
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Causes of Carryover |
マイクロバブル、ナノバブル内への抗癌剤、遺伝子の封入が難しく、当初の予定通り進まなかったこと。バブルリポソームに抗体を結合させる手技が難しく、当初の予定通り進まなかったこと。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ドキシルやアムビゾームなどのリポソーム製剤を購入し、薬剤封入バブルリポソームを作製する。抗体精製に必要な試薬等を購入する。マウスの購入、超音波発振装置のプローブの購入など。
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