2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25463099
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
近藤 壽郎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70178416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 直美 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (10152448)
伊藤 耕 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (20419758)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 顎関節滑膜細胞 / IL-1β / TNF-α / IL-1β+TNF-α共刺激 / MAPK / NFκB |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,滑膜細胞にIL-1β,TNF-α,IL-1β+TNF-αを作用させ,発現上昇する遺伝子を網羅的に解析しするとともに,IL-1β,TNF-αがどのようなシグナルを介してサイトカイン等の産生を上昇させるのかを検討した.【方法】本学倫理委員会の指針に従い,顎関節内障患者の滑膜から out growth法で滑膜細胞を得た.滑膜細胞にIL-1β,TNF-α,IL-1β+TNF-α刺激を行い,total RNAをRNeasy Mini kitを用いて抽出した.遺伝子発現量は,DNA microarray解析およびreal time-PCR法で測定した.シグナル伝達経路解析はIPAを用いた.培養上清中のcytokine量は ELISA kitを用いて測定した.阻害実験には,MAPKs阻害薬のPD98059, SB203580, SP600125 , NFκB阻害薬のAPDCを用いた.【結果および考察】滑膜細胞において,IL-1βまたはTNF-α刺激によりIL-6を始めとして多数のサイトカインの遺伝子発現およびタンパク質産生が上昇した.これらのタンパク質産生はPD98059, SB203580, SP600125, APDC添加で阻害された.よって,MAPKsおよびNFκBを介しているものと示唆された.また,IL-6等ほとんどのサイトカイン発現は,IL-1β+TNF-α刺激でIL-1βとTNF-αの相加作用が認められた.一方,GM-CSFおよびG-CSFでは相乗作用が認められた.顎関節内障患者滑液中でIL-1βやTNF-αが上昇すると,滑膜細胞はMAPKsおよびNFκBを介してIL-6等多数のcytokine産生を上昇させることにより,炎症の亢進に関与することが示唆された.IL-1βとTNF-αが共存すると炎症症状はより亢進する可能性が示唆された.
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Research Products
(5 results)