2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規口腔癌ペプチドワクチン療法の開発と臨床効果判定バイオマーカーの同定
Project/Area Number |
25463113
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉武 義泰 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (00423682)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 正徳 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90117127)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | トランスレーショナルリサーチ / 頭頸部癌 / 扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれの研究概要としましては、治療法がないと宣告された患者を対象にペプチドワクチン療法を施行し、その安全性と忍容性、ペプチド特異的キラーT細胞の誘導の可否、誘導されたペプチド特異的キラーT細胞の癌細胞への攻撃性、臨床的抗腫瘍効果、OSやPFSなどを検討し、より癌患者に効果なペプチドワクチン療法を開発するということです。その結果われわれのペプチドワクチン療法によりgrade II以上の有害事象は生じることは無かったことが判明しました。それによって本療法の安全性と忍容性が確認されました。ELISPOT assayを用いた免疫解析の結果、LY6K、CDCA1およびIMP3に特異的CTLはそれぞれ85.7%、64.3%、42.9%の頭頸部扁平上皮癌患者の末梢血単核球より誘導することができました。さらに、Best Supportive Careを行った患者群とわれわれのワクチン投与を行った患者群においてOSを比較してみたところ、ワクチン投与を行った患者群のほうが有意にOSの延長を認めました。さらに、2あるいは3種類のペプチドに対してキラーT細胞が誘導できた患者群と1種類のペプチドに対してのみしかキラーT細胞が誘導された患者群、あるいはどのペプチドに対してもキラーT細胞が誘導できなかった患者群においてOSを比較したところ、前群の方が有意に生存期間の延長を認めた結果となりました。 本研究の結果、治療法がないと言われただ死を迎えるだけであった頭頸部癌扁平上皮癌患者に対する有効と言える治療法・医薬品が誕生する可能性が高くなりました。患者にとっても生きる光明が見いだせる可能性が示唆されたことになりました。
|