2015 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の発生・浸潤・転移メカニズムにおけるEBVと歯周病の関与
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25463118
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
菊池 建太郎 明海大学, 歯学部, 准教授 (30349998)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒト口腔扁平上皮癌 / Epstein-Barr virus (EBV) / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔癌 150例、鼻咽頭癌 21例、上皮異形成83例、歯肉炎 32例、 扁桃炎 17例、 正常口腔粘膜 30例のヒトパラフィン包埋材料を用いたEpstein-Barr virus (EBV)の検出をPCR、ISHおよび免疫組織化学的手法にて検討した。これらの結果から癌に前駆する高度の上皮異形成においてEBV感染ゲノム(EBNA-2、LMP-1)が高率に検出され、EBERやLMP-1の発現強度も高い傾向にあることが分かり、口腔癌の発生要因の一つとしてEBVが関連している可能性が示唆された。しかしながら、CD21のタンパク発現に関しては明らかではなかった。 最終年度におけるin vitroの実験では、各種の口腔癌細胞株(HSC-2, HSC-3, HSC-4, Ca9-22)、上咽頭癌細胞株(KB)、正常ヒト口腔ケラチノサイト(HOK)におけるEBV遺伝(EBNA-2, LMP-1, EBER)およびタンパク質発現を検討した。PCR法および免疫染色でEBV遺伝子やタンパク質発現は検出できなかった。そこでEBVを各種培養細胞に感染させることを試みた。B95-8細胞の培養上清中にEBVが産生されることをPCR法で確認し、この培養上清を各種培養細胞に48時間作用させたところHSC-4のごく一部にEBER陽性がみられた。また、歯周病菌が産生する酪酸とB95-8細胞の培養上清とを混合し作用させたところ同様にHSC-4のごく一部にEBER陽性像がみられた。CD21発現に関しては酪酸単独作用でHSC-3およびHSC-4のごく一部に陽性像が確認できた。しかしながら、これらのin vitroのデータは再現性を得るには至っていない。以上の結果からは、EBV、口腔癌および歯周病との関連性が示唆されるが、さらなる証拠を得るためにはEBV感染培養株(EBV陽性ヒト口腔癌細胞株)の樹立が必要であると考えられた。
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[Journal Article] Detection of Epstein-Barr virus genome and latent infection gene expression in normal epithelia, epithelial dysplasia, and squamous cell carcinoma of the oral cavity2015
Author(s)
Kikuchi K, Noguchi Y, de Rivera MW, Hoshino M, Sakashita H, Yamada T, Inoue H, Miyazaki Y, Nozaki T, Gonzalez-Lopez BS, Ide F, Kusama K
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Journal Title
Tumor Biology
Volume: .
Pages: .
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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